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戦姫絶唱シンフォギアGX〜騎士と学士と伴装者〜
第22節「騎士たちの想い」
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「じゃりんこども〜。あたしは強いゾ?」
「余所見してんじゃ……ねぇッ!」
「ありゃ?」

地面に立てたカーボンロッドの上で片脚立ちしていたミカの頭上から、ダインが身の丈を優に超す氷の大剣が振り下ろす。

否、それは剣と言うにはあまりにも大きすぎる。大きく、分厚く、重く、そして大雑把なそれは……もはや氷塊と表現した方がいいだろう。

しかし、あまりにも大雑把なその一撃は、ミカに直撃することなく躱された。

「そんな攻撃、当たらなけりゃ隙だらけだゾ」
「当たらなけりゃ、なぁ?」

直後、氷塊に亀裂が走り、粉々に弾け飛ぶ。

「ゾッ!?」

粉砕された氷塊は、成人男性の頭程もある氷のつぶてとなり、勢いよくミカの方へと向かってきたのだ。

軌道を読み、カーボンロッドで弾き返そうとするミカ。

だが、その瞬間だった。

「隙だらけだ……ぜッ!!」

背後からダインの声。

思わず振り返るミカ。
直後、その鼻っ面にサッカーボールほどの大きさの氷塊が、勢いよく命中した。

「フガ……ッ!?」

大きく仰け反り、バランスを崩すミカ。
頭から地面へと落下し、バウンドしながら、人間であれば死にかねない勢いで転がっていく。両手に握っていたカーボンロッドも、落ちた際の衝撃で手を離れた。

宙空で氷塊を蹴り飛ばしたダインは素早く着地すると、再び両手に旋棍型の氷剣を握り、ミカの方へと勢いよく摺動する。

「お、か、え、し、だ、ゾッ!」

だが、ミカもそれで終わってはいない。
首をグルンと回してダインを見ると、掌からカーボンロッドを射出し、牽制しようとする。

しかし、ダインはそれすら見越していたかのように、まるでスケート選手のように流麗な動きでそれらを躱し、一切減速することなく接近した。

「遊びは終わりだ、ガキンチョ」

そしてミカの真下へ滑り込んだダインは、足元にスロープを形成し、ミカの腹部に容赦なくサマーソルトキックを叩き込む。

「うぅッ……まだ終わりじゃないゾ!」
「いいや、終わりだッ!」

再び宙を舞うミカの躯体。そのまま地面を踏み付け跳躍したダインは、2本の氷剣を空へと向け、落下してきたミカを刺し貫いた。

〈アイスシュピース〉

刺された箇所からミカの身体が氷結していく。
5秒と立たないうちに全身が凍りつき、ミカは再び落下していった。

「ハァ……これだからガキの相手は疲れるぜ」

氷塊に封印されたミカの姿を確認し、両手の氷剣を消滅させる。
ジャケットの霜を払い落としながら、ダインは他の場所で戦っている兄弟達を想った。

「あいつらも、そろそろ片がつく頃か」

ff

ゲノモスとレイアの戦闘は互角であった。

「オラァ!」
「フッ…
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