敢闘編
第五十話 第五次イゼルローン要塞攻略戦(中)
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かりでまともに動いてはいない。頃合いを見て我等も後退すればいい」
「…仰る通りです」
伯の見立ては最善ではないが最適解だろう。味方の予備戦力と呼べる物が既に我々しかいないこの状況では、駐留艦隊の後退を援護する程度の事しか出来ない。
「少佐、駐留艦隊に連絡、後退を援護する」
「はっ」
「それと再度進言しろ。敵はこちらの後退に合わせて急速追撃してくる恐れあり、とな」
「はっ」
ヒルデスハイム伯か…。門閥貴族としてはブラウンシュヴァイク一門の凡庸な一貴族だったのかも知れんが、前線に身を置いて変わった…本人も今まで気づいていなかった才能が開花した…。俺やキルヒアイスにもあるのだろうか、そういう一面が…
「少佐、どうしたか?」
「は、はっ、駐留艦隊司令部に伝達いたします」
11月26日18:10
自由惑星同盟軍、第五艦隊、旗艦リオ・グランデ、艦隊司令部、
アレクサンドル・ビュコック
参謀長がこちらに駆け寄ってくる…相変わらず目が赤い、寝不足かの…。
「敵の予備が動き出しました。現在敵駐留艦隊の左翼に位置…紡錘陣を形成している模様。我が艦隊の右翼を攻撃するものと思われます…駐留艦隊は要塞主砲の射程内に後退する気でしょうか。敵の予備の動きはその援護ではないかと推測しますが」
参謀長の推測は正しい。このままでは敵も戦線を維持するのは困難じゃろうて…だがこれは…。
「多分そうじゃろうが…まずいの」
「は?」
「説明は後じゃ。モンセラート分艦隊に連絡、二時方向に現れるであろう敵の予備集団の足止めをせよ」
「はっ」
「続いて第四艦隊に要請、敵主力は後退の気配、更に攻勢を強化されたし。当艦隊もそれに続く、と」
「了解致しました!」
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