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星々の世界に生まれて〜銀河英雄伝説異伝〜
敢闘編
第五十話 第五次イゼルローン要塞攻略戦(中)
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の秘蔵っ子とでも思われてるんだろうか…。補給担当のギャバン准将もそうだし主任情報参謀のロックウェル准将もそうだ。もしそうなら仕方ない事だろうが随分と打算的だが、まあ嫌われるよりかなんぼかマシだろう。
ハフト准将も居なくなって、総司令部の高級士官で艦橋に残っているのは俺だけになった。総参謀長副官のシモン大尉は少将の代わりに艦橋に残っている。浅黒の肌の中々の美人だ。うん、絶対に副官の選考基準には容姿の項目もあるんだろう…。

「予定通りの様だな、中佐」
長官代理、艦橋入られます、というシモン大尉の声と共にシトレ親父が総参謀長を伴って艦橋に入って来た。
「はっ、この後一三三〇時より行動を再開します」
「再度膠着状態に持ち込むのだな…あと何度繰り返せばよいと思うかね?」
「前衛艦隊の損害状況にもよりますが、最低でもあと三度程は繰り返すべきだと考えます。その状況の中で長官代理の直卒艦隊が前線に出る様に疑似突出を繰り返せば、こちらの意図は読まれない筈です」
「更に無人艦を突入させるのだったな」
「はい。各艦隊から千隻ずつ、直卒の当艦隊から二千隻、合計五千隻が突入します。当艦隊からの派出分はすでに各艦隊に分散配置済みです」
俺がそこまで言うとシトレ親父が力強く頷き、総参謀長にに向き直った。
「了解した。総参謀長、予定通り作戦を再開したまえ」




11月26日17:05
イゼルローン要塞近傍、銀河帝国軍、ヒルデスハイム艦隊、旗艦ノイエンドルフ、艦隊司令部
ラインハルト・フォン・ミューゼル

 参謀長シューマッハ中佐の顔色が優れない。それもそうだろう、敵は四度目の攻勢をかけ始めた。
駐留艦隊の残存兵力は既に一万五千隻に満たない、それに対し叛乱軍の前衛三個艦隊は三万隻近い。そしてその敵は今回は勢いが激しい。それでも尚組織的に抵抗出来ているのは、こちらのノルトハイム・グルッペによる敵左翼の足止めが成功している為だが、その分敵中央と右翼からの攻勢は激しくなっている。
「厳しいな」
ヒルデスハイム伯がボソリと漏らした。伯は呟いたつもりの様だったが、意外にその声は大きかった。照れ隠しの様に伯が指揮官席を立つ。
「命令。艦隊、紡錘陣を取りつつ三十度左回頭。駐留艦隊の左翼を迂回して前進し、叛乱軍右翼を側面攻撃する」
「閣下、閣下の御命令を実行致しますと、敵の後衛予備が動き出した場合、我が艦隊は左側面または後背を突かれる恐れがありますが…」
「分かっている。だが駐留艦隊は既に手一杯の状況だ。このままだと駐留艦隊の中央と左翼は崩れて無秩序に後退しかねない。現在位置ではそれに巻き込まれる恐れがある。だが我等が敵の右翼を側面攻撃すれば駐留艦隊は要塞主砲の射程圏内に秩序を保って後退出来るのではないかね?幸いな事に、まだ敵の後衛予備は突出の真似ば
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