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戦姫絶唱シンフォギアGX〜騎士と学士と伴装者〜
第21節「従者の責務」
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だった。

「お目覚めになりましたか」

医務室の自動扉が開き、入室してきた人物に響は顔を向ける。

そこにいたのは、調査部の黒スーツに身を包み、綺麗に染めた金髪をサイドテールに束ねた女性職員。翔の付き人、春谷舞だった。

「春谷さん……」
「目が覚めるまで、ずっと見ていました。翔様なら、きっとそうするかと」

春谷の言葉で、あの瞬間がフラッシュバックする。
あの戦いの最後、翔は殿として一人で残り、そして……。

「ッ!そうだ、翔くんは!?」
「先程、連絡がありました。どうやらピンピンしているようです」
「そっか……よかった……」

思わず胸を撫で下ろす。
もし、あのまま翔が帰らぬ人となっていれば、心が折れていたかもしれない。
それほどまでに、風鳴翔という少年は響にとって大切なのだ。

「……響様、この場にいない翔様に代わり、私の方から謝罪を。響様の信念を否定するような物言いをしてしまった事、翔様自身も深く悔いておられました」

深々と頭を下げる春谷に、響は静かに答えた。

「顔をあげてください、春谷さん。……なんとなく、心のどこかでは分かってましたから」
「……え?」
「翔くんの事だから、わたしの事を想って言ってくれたんだと思います。……それを受け入れられず、ちゃんと翔くんの言葉に耳を傾けなかったのは、わたしなんです」

翔と喧嘩してしまった日の事を思い出しながら、響は呟く。

「あの時、翔くんの言葉を遮っちゃったのはわたしで、逃げちゃったのもわたし。だから……翔くんは悪くないと思います」

そう言って、春谷の方を見ると……。

「はぁ〜……互いが互いに理解があるが故のすれ違いとか、マジで勘弁してくれませんか?」
「は、春谷さん?」
「これは翔様が帰ってきたら、2人とも腹を割って話す機会を作らせないといけませんね。いや、絶対そうしてもらわないと私が困る」

春谷の目が据わっていた。
呆れているというか、それを通り越してキレているように見える表情だ。
ブツブツと早口で呟いている部分は、響には聞き取れていない。だが、かなり業が煮えている様子だった。

やがて深い溜息を吐いた後、春谷は響の顔を真っ直ぐに見つめた。

「響様」
「は、はい?」
「翔様は生真面目で、相手を慮る視野を持つが故に、言葉足らずになってしまう事があります」
「そうなんですか?」
「本人としては、言葉を選ぼうとしているつもりなのですがね。より相手を傷つけず、スマートに伝えられる言葉を探して、結局失敗してしまう。翔様のお父上もそういう御方でした」

春谷の脳裏に浮かぶ鉄面皮。内閣情報官としてこの国を守護する、舌戦の防人。
翔とその姉、翼の父親にして、S.O.N.G.司令である弦十郎の兄。風鳴
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