第123話『夏祭り』
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たら決めておいた集合場所に集まることになった。
*
「うわ〜あっちもこっちも食べたことない物ばっかりだ! ハルト、買っていい?!」
「いいけど、食べすぎないようにね」
「わかってる! おじさん、これください!」
「はいよ! お嬢ちゃん日本語上手だね! もう1つサービスだ!」
「わーい、ありがとう!」
「大丈夫かなこれ……」
図らずもデートをできるようになった晴登と結月だが、初めての夏祭りに結月の興奮が止まらなくてそれどころではない。
今は気になった食べ物を片っ端から買っているのだが、ここに来て外国人顔負けの容姿が災いして、屋台の男性たちに大人気なのだ。食べすぎないように忠告はしたが、サービスは不可抗力だからどうしようもできない。
「あ、大地たちは金魚すくいやってるな」
「金魚すくい! ボクもやりたい!」
「じゃあちょっと合流しようか」
ちらっと視界の端に映った大地と莉奈と優菜のグループが金魚すくいをやっており、そのことを口に出すと結月が食いついてきた。2人きりではなくなってしまうが、彼女の望みが優先である。せっかくだし色々遊ぼう。
「おーい」
「お、晴登。見てみろ、こんなに金魚が取れたぜ」
「1、2、3……10匹!? こんなに取れるものなの?!」
「まぁ俺にかかれば楽勝だな」
ふふんとドヤ顔な大地。運動神経が良いだけに飽き足らず、ゲームセンスもあるとは羨ましい。
「大地君のポイ捌き、凄かったですよ。あんなに取ってるのに全然破れないんです」
「ずーるーいー! 私も金魚いっぱい取りたいー!」
金魚を3匹取った優菜と0匹の莉奈が口々にそう言った。2人も楽しんでいるようで何よりだ。
莉奈に関しては、たぶん泳いで魚を取る方が得意だろう。
「そうだ。なぁ晴登、勝負しないか?」
「俺? 金魚すくいってあんまりやったことないんだよな……」
「じゃああそこにある射的でどうだ?」
「それなら、まぁ……」
金魚すくいは技術が問われるが、射的であれば素人でもどうにかなりそう感があるので、そっちで勝負を受けることにする。
金魚すくいを継続する結月と莉奈を置いて、射的の屋台に移動した。
「ルールは簡単。この3発の弾でどれだけ景品を落とせるかだ。大きい景品は得点が高いことにしよう」
「つまり、あの真ん中のぬいぐるみを落とせたらほぼ勝ちってこと?」
「そういうことだな」
そう言ってニヤリと笑った大地。負けず嫌いの彼の狙いがそのぬいぐるみであることは考えるまでもなくわかる。しかし、腕で抱えるようなサイズのぬいぐるみが射的の小さな弾で落ちるとは思えないが
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