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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
GX編
第125話:獣と堕ちる
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「マリア姉さん!?」
ガルドに続きマリアに近付いたセレナが、目に涙を浮かべながら倒れたマリアを抱き起す。
2人の声に反応してか、マリアは瞼を震わせゆっくりと目を開けた。
「ぅ……」
目を開けたマリアにセレナとガルドは安堵するが、マリアの目は2人ではなくどこか遠くを見ていた。
「勝てなかった…………私は、何に負けたのだ…………?」
呆然としながら呟かれた言葉が、真夏の炎天下に消えていく。
彼女の疑問に答えられるものは、少なくともその場には居なかった。
***
マリアとの戦闘を切り上げ拠点に戻ったガリィとハンス。ガリィは台座の上でポーズを取った状態で姿を現し、その傍らに居たハンスは指定席とも言える玉座に続く階段の最上段に腰掛けた。
「……派手に立ち回ったな?」
「目的ついでにちょっと寄り道よ」
戻ってきたガリィにレイアが話し掛けるが、ガリィはどうでも良さそうに素っ気なく返した。
ガリィの様子にキャロルがハンスに目を向けると、彼はシニカルな笑みを浮かべながら肩を竦めた。
「自分だけペンダントを壊せなかったのを引き摺ってるみたいだゾ?」
空気を読んで何も言わないで置いたハンスだったが、性格が一番幼いミカは空気など読まず思った事を口にした。それがガリィの神経を逆撫でする。
「うっさい!? だからあの外れ装者から一番に毟り取るって決めたのよ!」
「ホント、頑張り屋さんなんだから……」
ミカの言葉に苛立ちを隠さず、ドスの利いた声で返すガリィ。それを見ていたファラはガリィを宥めるように静かに言葉を紡ぐ。
「私もそろそろ動かないとね」
ファラの言葉に今度はハンスがキャロルの事を見る。彼の視線を受けて、キャロルはゆっくりと頷いて見せた。
ガリィはファラの言葉に加え、ハンスとキャロルのやり取りを見て視線を上に向ける。そこには4体のオートスコアラーに準えたかのような、赤・青・黄・緑の4色の垂れ幕が天井から吊るされていた。
それを見てガリィは胸の中で静かに呟いた。
――……一番乗りは譲れない――
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