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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
GX編
第125話:獣と堕ちる
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それは認めよう。だがしかし、マリアにはまだ切り札が残されていた。それを使うべく、マリアの手が胸のギアコンバーターに伸びた。
それを見てガリィは笑みを深めた。待ってましたと言わんばかりの様子だ。
「……聞かせてもらうわ」
「この力で決めてみせる! イグナイトモジュール、抜剣!!」
【DAINSLEIF】
マリアがイグナイトモジュールを起動した事で、形を変えたギアコンバーターがマリアの胸を貫いた。
そしてマリアの心と体を、魔剣の呪いが蝕んでいく。
「ぐぅぅ、あぁぁぁぁぁぁっ!?」
「あぁ!? 姉さん!?」
マリアの体を赤黒い光が包んでいく。体の中をグチャグチャに掻き回される様な苦痛に、マリアの口から抑えきれない苦痛の悲鳴が上がりセレナはそんな姉を心配して悲鳴を上げた。
全身を呪いに蝕まれながら、マリアは必死に耐えていた。この呪いを克服し、新たな力を得てこの状況を打開しようと。
「弱い自分を、殺す――!? あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?」
だが呪いはマリアが思っている以上に強かった。押さえ込もうとして、逆に溢れる呪いの光がマリアの体を見えなくなるくらい包み込む。
そして次の瞬間、そこに居たのは最早マリアではなかった。
「ア゛ァァァァァッ!!」
全身を赤黒く染め上げ、まるで影がそのまま動いているかのような姿となった。シルエットだけの様な姿の中で、煌々と光る赤い目が異様に存在感を主張している。
その姿は以前、ネフィリムにより片腕を食い千切られた際の響の姿と全く同じだった。
「あれれ?」
思っていたのとは違うマリアの変化に、ガリィは目をパチクリとさせる。
暢気とすらいえる姿を晒すガリィに、マリアは獣の様に襲い掛かった。
「ガァァァァァァッ!!」
人間では不可能な素早い動きで襲い掛かるマリアだったが、動きが直線的すぎるからかガリィにはひらりひらりと避けられてしまう。寧ろ理性が働いていない分、今のマリアはガリィにとって倒しやすい存在となったとも言える。
にも拘らず、ガリィの顔に浮かぶのは笑みではなく苛立ちであった。
「獣と堕ちやがった!?」
「ガリィ!」
〈バッファ! ゴーッ! バッバ、ババババッファー!〉
避けるのは容易いが、それでも素早いマリアの動きは脅威である。マリアの状態に危険を察したハンスは、スタイルをバッファに変えるとマリアにタックルを喰らわせガリィから引き剥がした。
「ッ!?」
横合いからの突進に、マリアは回避も防御も間に合わず吹き飛ばされる。吹き飛ばされた先にある木をへし折り、倒れた木がマリアの上に倒れて下敷きにした。
「別に手助けは必要無かったんだけどね〜」
「そう言うなって。
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