第二部 1978年
ソ連の長い手
恩師 その4
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機の頭に鍬形(兜の飾り。通信アンテナの事)を付けてみたり、支那のサーベルを複製させたり、突拍子もねえことばかり言うからよ……。
俺もこれくらいの事じゃあ、驚かなくなったぜ」
シュトラウス技術中尉は、彼に背を向けると、整備中の技師たちに向かって声を上げる。
「おめえ等、聞いたか!グズグズしてるじゃねえぞ、一晩で仕上げる」
技師達は力強い声で返事をした。
「了解!」
こうして、夜は更けていった。
気分転換に屋外の喫煙所に来ていたユルゲンは、脇に居るヤウクに問うた。
「今日は二十六夜月か……、ハイヴ攻略には不向きだな」
薄暗い屋外のベンチに腰かけながら、悠々と紫煙を燻らせるヤウクは、立ち竦むユルゲンの方を向く。
「米軍の連中、新型爆薬を使って高高度から爆撃するんだろ……カシュガルの時みたいに変な新型が出てきて全滅何てならなければ良いが……」
彼は努めて、明るい声で言った。
「今回は多分、日本軍のゼオライマーが支援に回ってくれるさ」
「でも僕の聞いた話だと極東に居るんだろう……どうやって9000キロの距離を移動するんだい。
そんな魔法みたいにパッと消えて、パッと現れるならいいけど」
ふとユルゲンは、右の薬指に嵌められた白銀製の指輪を覗き見る。
それは、木原マサキより送られた次元連結システムを応用した特殊な指輪であった。
「何とかなるさ。あの男は二時間でBETAの巣穴を消し飛ばした魔法使いみたいな物だから」
深夜の格納庫に、二人の男の笑い声が、木霊した。
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