第八話 絞首台のかささぎその四
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「それでだったんだよ。入塾テストだね」
「はい」
「君は抜群の成績だったんだよ」
こう温和な笑顔を作って言うのだった。
「いや、本当にね」
「そうだったんですか」
「そう。だからこうしてここに呼んだんだ」
「十階に」
「君に是非会いたくてね」
「有り難うございます」
「優秀な生徒は我が塾の誉れだよ」
こうも言うのだった。
「だからこうしてここに呼んでね。そしてね」
「そして?」
「私は楽しむんだよ」
「楽しむ。ですか?」
「そうだよ。楽しむんだよ」
そうするとだ。由人は雅に言うのだった。その間雅が紅茶を飲んでいるのをずっと見ていた。まるでそれ自体に何かがある様にだ。見ていたのである。
雅は由人のその目に気付かずにだ。紅茶を飲んでいく。そしてだ。
その雅にだ。由人は尋ねてきた。
「美味しいかな」
「はい、とても」
実際に飲みながらだ。雅は答えた。
「こんな美味しいお茶ははじめてです」
「かなり高いお茶だからね」
「だからですか」
「そうだよ。最高級の葉だから」
美味しいのもだ。当然だというのだ。
「それにね」
「それに?」
「いいものを入れているからね」
由人の笑みが変わった。その笑みは。
下卑た、嫌らしい笑みだった。その笑みを見て雅はこれまで由人に抱いていた敬愛の念に疑念を込めた。だがその時にだ。不意にだった。
「?」
瞼が急に重くなった。そしてだ。
そのまま意識が遠のいていく。それを見てだ。
由人は好色そのものの笑みを浮かべていた。その彼女の後ろにだ。
雪子が出て来た。雪子は悪魔の笑みで叔父に言ってきた。
「効いたみたいね」
「そうだな。ではだ」
「今日はどこでするの?」
「ベッド。いや拷問部屋がいいか」
そこでだというのだった。
「あの部屋でだ。楽しむとしよう」
「この娘はじめてだと思うけれど」
「はじめてなら尚いい」
下卑た笑みがだ。さらに卑しくなった。
「じっくりと教え込むことができる。まさにだ」
「まさに?」
「純白のキャンパスに描いていく」
そういうものだというのだ。
「だからだ。いいのだ」
「成程ね。絵ね」
「陵辱もまた芸術なのだよ」
下卑た笑みのままでの言葉だった。
「それは御前も知っていると思うがね」
「いえ、私は違うのよ」
邪悪さにだ。悪意と憎悪を込めてだ。雪子はその目でソファーの上に倒れ込んでいる雅を見た。雅は倒れたまま動かない。意識を失っているのは明らかだ。
その雅を悪意と憎悪の目で見つつだ。叔父に答えたのである。
「何が幼馴染よ。相思相愛よ」
「そうしたものは
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