やっぱり僕は歌が好き 第七楽章「基本的に身近な人物」
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ですねー……一言で言うと『ヘタレ』ですね」
「ヘ、ヘタレなの? 何所に惚れちゃったのかなぁ……?」
惚れてないけど、ヤったら出来たって事かしら?
「か、格好は良いんですよ!」
「見た目だけね」
「や、やる時はやる男だし……」
「男は皆、ヤれる女の前ではヤるわよ」
「う゛っ……み、皆には誤解されてるけど、本当は優しい人だし」
「誤解される事自体が問題なのよ」
「う゛ぅぅぅぅぅ〜……え〜と、その……強い……そう、強いの!」
「メンタルは激弱よ」
「あの……その……え〜と……お、お金……持ち? だし」
「金無きゃただのクズじゃない」
素晴らしいくらい息の合った掛け合いだ。
流石は姉妹……
片親だけが同じでも、これほどまでに息が合うとは……面白い。
「う、うるさいわね、先刻から!」
「事実を言ってるだけでしょぅ」
このクズ男の事は知らないが、彼女自ら『ヘタレ』と評してたくらいだから、事実である事は疑いないのだろう。
「う〜……ムカつくぅ」
「私がこの世で……いえ、異世界を含めて最も尊敬する人である、お父さんが言ってたわ。『事実こそ、最も人を傷つける』って。あらヤダ……そう言えば父親は同じだったわね(ウフフッ)」
おやおや。流石は魔技高校で優秀な成績を保持し続けてるだけはあるわね。私もその言葉を聞いた事があるわ……私が最も尊敬する人、陛下か……ら?
え!? 何で陛下が仰っていた言葉を、彼女が父親からの言葉として知ってるの?
嘘……もしかして……え、嘘!?
へ、陛下は確かビアンカ王妃陛下との間に……一男二女で……聞いてる話じゃあの女を含めて娘が五人居るはずで……え〜と、合計すると……
“一男七女”!!!!!
そ、そして先刻の台詞……
思考が追い付かない……いや違う、思考が動かない。
私は如何な表情をしていたのだろうか? それは判らないが私の視線に気が付いたリューナちゃんが、不思議そうな顔で私を見つめ返した。
そして何かを察した様な顔を一瞬すると、また愛らしい表情に戻り微笑みかける。
だが瞳の奥は笑っておらず、声を出さず口だけ動かし“Top Secret”と私に伝える。
間違いない……この美しさは、母親だけの遺伝子じゃぁない。
そこで一生懸命彼氏擁護をしているウェイトレスも、内面に著しく難のあるあの娘やあの小娘も、一律して見た目だけは最高に良い。
うん。納得だ……器が違うわよ。
彼女の彼氏が何所のクズ野郎かは知らないけど、陛下と比べちゃったら器は小さく思えちゃうわよ。
あ〜……こうなると見てみ
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