第三十四話 梅雨が終わればその十二
[1/2]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「お姉ちゃん自分は尊敬するなって言うのよね」
「美奈代さん自身を」
「そんなの重いってね」
尊敬されることはというのだ。
「あと自分で自分を尊敬しろなんてとかね」
「言わないって言うの」
「そうなの、そんなこと言う人はね」
富美子はさらに話した。
「馬鹿だってね」
「言ってるの」
「そうなの、自分はそんなに偉いのか」
「振り返って見ると」
「そう思えるって自分がわかってないってね」
「まあね、普通に駄目駄目だってね」
留奈は富美子の話を聞いて言った。
「振り返ると思うわよね」
「自分をね」
「失敗ばかりしてね」
「そうでしょ」
「自分を振り返るとね」
「誰だってだまだまだって思うでしょ」
「そうよね」
こう富美子に述べた。
「大抵の人は」
「それなのに他の人に自分を尊敬しろなんて」
「言えないわね」
「冗談で言ってもよくないってね」
「そんな言葉なのね」
「それで若し本気で言ったら」
その時はというのだ。
「尊敬されるどころかね」
「馬鹿にされるわよね」
「何いってるんだってね」
その様にというのだ。
「思われてね」
「そうなるのが普通ね」
「ましてそんなこと言う人は自分が見えてないから」
富美子は美奈代に言われたことを思い出しつつ話した。
「その行いは立派どころかね」
「酷いっていうのね」
「それこそ最低な人間だってね」
「尊敬されるどころか」
「そんな人に決まってるからってね」
「美奈代さん言ってたのね」
「そんなこと言う人は相手にするな」
美奈代に言われたことをさらに思い出しつつ話した。
「そう言われたわ」
「そうなのね」
「まあ実際にね」
富美子はさらに言った。
「立派な人は謙虚だしね」
「そうよね」
「それでむしろね」
「自分は駄目とかね」
「まだまだって言ってね」
「自分を尊敬しろなんてね」
「言わないわよね」
こう言うのだった。
「むしろ」
「そうよね」
「というかどうしようもない人程そうよね」
一華はこう言った、その顔を顰めさせて首をどうにもという感じで捻りながらそのうえで出した言葉だった。
「自分を偉いとかね」
「思ってるわよね」
「何も出来ない、何もないね」
「そんな人程ね」
「何か出来たらね」
それならというのだ。
「そこから色々経験して」
「自分は至らないって思うのかしらね」
「何かあるなら手に入れるまでね」
それまでの段階でというのだ。
「やっぱり経験して」
「それでなのね」
「自分は至らないってね」
「思うのね」
「ご先祖の遺産に胡座でもかいていないと」
さもないと、というのだ。
「人って何か出来る、ある様になるまでは」
「色々あるから」
「そ
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ