第10章 アルバレス帝国編
第50話 奇しき赫耀
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アレンから授かった」というモノであった。それを聞き、2人は確信した。エルザに対して与えたそれは、その瓜二つの人物に重ねて与えたものであったと…。
…だからこそ、目の前に現れた、先ほどまで黄色い光を放っていた人物が誰であったのかを容易に認識することができた。
「カ…カリン…さん…」
「ど、どうして…」
ヒノエとミノトの狼狽した様子に、ラクサス達は驚愕の表情を見せる。だが、その表情はそれに対してではなかった。ヒノエの発した言葉によるものが大きかった。
「カ、カリンだと…」
「それって…」
「ア…アレンの…」
ラクサス、ウル、ウルティアが酷く困惑した様子で口を開く。名前は、数回しか聞いたことがない。だが、アレンにとって特別であったその名は、フェアリーテイルの皆であれば、頭に、心に、記憶に刻み込んでいたものであった。
カリンと呼ばれた女は、ゆっくりと手を添えると、とある魔法を発動する。
「…人を愛せし真の五龍…今ここに顕在せしめる…」
その呟きを聞いたバルファルクが大きく目を見開く。
「バ、バカな…その魔法は…っ!」
バルファルクは酷く狼狽した様子を見せ、半歩身を引く。そんなバルファルクの驚きように、皆も驚いた様子を見せる。
「数多を焼き尽くすは炎竜王、天を裂きしは天空竜、全てを薙ぎ払うは鋼鉄竜、白く染め上げるは白鳳竜、影より翔けるは影翔竜…異形と化した悪竜を、転じてここに滅び去らん…」
カリンの発する言葉に、皆は驚きの表情を生む。特に、ガジル、スティング、ローグの驚きは尋常ではない。それもそのはず…。目の前の女が発した言葉は、自分たちがよく知る竜の異名であったからだ…。
「ッ!…そんな魔法を使わせると思うかッ!!!」
バルファルクはそれを聞き、カリンへと攻撃を仕掛けようとする。だが、その身を動かすのが一瞬遅かった。バルファルクの攻撃がカリンへと伸びるより先に、カリンが詠唱を完成させる方が早かった。
「破道の九十九『五龍転滅』…」
カリンがそう言い切ると、地面を割るようにして圧倒的な魔力が発生する。その魔力は先の詠唱にあった5体の竜を形作る。そして、その竜がバルファルクへと突進していく。
「く、くそがー――!!!」
バルファルクは怒号を発しながら、カリンの魔法へと飲み込まれていく。刹那、5体の竜を象った魔法は凄まじいまでの破壊力と轟音、暴風を伴って衝撃を迎える。
魔導士たちは、その圧倒的な攻撃に驚きながらも、轟音と暴風に身を固めて耐える。暫くして、先の攻撃の波動が収まりを見せたことで、冷静さを取り戻す。そして、皆は視線をカリンへと向ける。
「ほ、本物…なのか?」
「…エルザにそっくり…」
「あれが…カリン…さん?アレンの…恋人…」
「な、なぜわらわの護符から…」
ビックスロー、カグラ、レヴィ、ミネルバが口々に言葉
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