第10章 アルバレス帝国編
第50話 奇しき赫耀
[5/11]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
を持っていたが、バルファルクの攻撃を比べると、それはあまりにも貧弱であった。2秒程度であろうか?龍気ビームを止めたのち、2人の魔法は赤き光に飲み込まれる。
「ッ!くそっ!」
ラクサスは自身とウルの攻撃が消滅したことに、悪態を付きながら視界を暗くする。
…だが、何時まで経っても攻撃はやってこない。恐る恐る視界を開く。すると、そこには淡い黄色い光を放つ膜のようなものが、ラクサス含め、皆を包み込むようにして発生していた。目を見開く。
そして、ゆっくりと視界を移動させると、一際大きな輝きを放つものが見て取れた。それは、小さなお守りのようなものであった。この光の膜のようなものは、そのお守りから発せられることを理解する。そして、そのお守りの真上…そこには、光に包まれた人影が見て取れた。
目を凝らす。と同時に、少しずつその光は止み、人影を鮮明に捉えることに成功する。
驚く。
視界に入ってきたのは、緋色の長い髪の毛を腰まで下ろし、見たことのない鎧のようなものを身に待っとった女であった。見覚えのある姿であった。故に、ラクサスは憶測を込めてその名を口にした。
「エ…エルザ…?」
ラクサスは小さくその人影に向かって名を呼ぶが、その呼びかけに対し、その緋色の髪の女が反応を見せることはなかった。
竜へとその身を変えたアイリーンと、スサノオを発動させたエルザは、何度か打ち合うようにして戦闘を繰り広げていた。加えて、ジェラールの天体魔法による支援攻撃や、ウェンディの滅竜魔法の付加もあり、比較的優位な状態で戦闘を繰り広げていた。
しかし、竜の力に加えて、あらゆる物質に付加できるというアイリーンの力は凄まじく、それはエルザの発動したスサノオすらも貫通する攻撃力を誇っていた。そのため、エルザ達は皆疲弊しきった状態となっていた。
だが、それはアイリーンも同様であり、これ以上の戦闘続行は難しいと考え、自身が有する高位付加魔法の神髄、極意付加魔法ともいえる力をエルザ達にぶつけるに至る。
「こ、これは…まさか…」
「くっ…奴の付加魔法はなんでもありなのか…」
「こんなことって…」
エルザ、ジェラール、ウェンディは上空から迫りくる攻撃に、身を震わせて困惑する。
「は、ははッ!跡形もなく消え去りなさい…デウス…セイバー!!」
アイリーンは上空を見上げながら大きく言葉を発する。竜の力によって増幅した付加魔法は、天体そのものに付加を与え、エルザ達の上空に強大な隕石を齎す。
「ありえん…俺の魔法の…完全なる上位互換…ッ」
「こんなのを喰らったら…」
「スサノオでも防ぎきれんぞ…」
ジェラール、ウェンディ、エルザは、苦虫を噛んだような表情を浮かべながら狼狽する。
「はぁ…はぁ…さすがに、バルファルク様のような都市一つを包み込むような隕石は降らせることはできないけど
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ