第10章 アルバレス帝国編
第50話 奇しき赫耀
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アイリーンは不敵な笑みを浮かべながらニヤリと笑いかける。
「なぜ…なぜ貴様がそれを…」
「それは…私たちしか知りえないはず…」
エルザとウェンディは、アイリーンの言葉を信じられないと言った様子で狼狽して見せる。
「そんなことないわよ…ふふっ!…奪った本人なら…知っていて当然じゃなくて?」
アイリーンの不穏な笑みと共に放たれた言葉は、エルザ達3人に驚愕の表情を生む。徐々に理解し、認識する。アイリーンの言葉の意味を…。そして、それは次第に怒りが滲んだようなものへと変わっていく。
「き…貴様が…アレンの…」
「家族を…友を…恋人を…ッ!」
「…殺したんですかッ!?」
エルザ、ジェラール、ウェンディは怒りでうまく働かない口元を何とか動かし、言葉を言い放った。
「そうだ…今でも覚えておるぞ…アレンの絶望と…可哀そうな泣き顔を…ぷっ!」
アイリーンはどこか楽しげな様子で言葉を漏らす。瞬間、エルザが目にも止まらぬ速さでアイリーンへと近づき、剣を振り下ろす。その表情は、これまでにないほど瞳孔を開かせ、真顔ながらも憤怒の様相が見て取れた。アイリーンはその剣を自身の杖で受けるが、先ほどとは比べ物にならない力に小さく目を見開く。
「ほう…感情で力が増幅したのか?…ああ、そうか…。お前はアレンを愛しているのだな…」
「…貴様は私を生んだ女…そして数奇な運命に晒された哀れな人…そんな思いが些少の憐れみを生んだが…」
エルザはアイリーンを力ずくで押しのけると、魔力を解放しながら視線を向ける。その視線は、目だけでその相手を殺せるほどの畏怖を抱かせるものであった。そして、解放した魔力がエルザの身体に纏わりつき、それは巨大な骨を形成し、巨人の上半身を思わせるものへと形作られていく。
「それも完全に消え失せたッ!!貴様は私が確実に殺すッ!アレンの代わりに!!!」
「へえ…これがスサノオか…。なるほど、素晴らしい力ね…でも…」
エルザのこれまでにな激高に似た叫び、アイリーンはそれでも冷静に言葉を返す。そして、途中で含みあるように言葉を止めたかと思うと、アイリーンの身体にも同様に魔力があふれ出る。そしてそれはアイリーンを異形のモノへと変化させる。
「奥の手があるのは…あなただけじゃないのよ…エルザッ!!」
アイリーンはその身を竜の姿へと変え、咆哮をあげながらエルザの名を口にした。
エルザはスサノオを第3形態にまで力を増幅させて、竜の姿へと変化したアイリーンへと斬りかかった。
天彗龍バルファルク、その変異個体である奇しき赫耀のバルファルクに対し、フェアリーテイルを始めとした魔導士たちは、ヒノエ、ミノト、ギルダーツ、ラクサス、カグラ、ウル、ウルティア、リオン、ガジル、ジュビア、ミネルバ、スティング、ローグ、一夜を主力として戦闘に臨んでいた。
かつて、首都
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