横田基地現場検証
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討伐令を監督役が出す事ができます。
多分取引として聖杯戦争に関与するなあたりを言われるでしょうが、後始末はできると思いますよ」
私はまったくお勧めしない顔で提案するが、アンジェラは実に嫌味な顔で返事を返した。
これは、既にそのあたり言われたのかもしれないな。
「その提案、日本政府は乗るのですか?」
「乗りたくはないのが本音ですが、現実問題としてあれに勝てます?」
手がない訳ではないが、サーヴァントにはサーヴァントをぶつけるのが一番楽ではあるのは事実だ。
逃げたこいつが都内で暴れでもしたら目も当てられない。
アンジェラの顔が歪む。
奴は既に米軍に損害を与えてこの横田基地から姿を消しており、それが答えを物語っていた。
「……沖縄の部隊がもうすぐやって来るわ。
せめてそれまで待ってもらえないかしら?」
苦々しそうに言う彼女に私は無言で了承を伝えたのだった。
沖縄から横田にやってきた部隊は書類上は海兵隊だが、その内実は米軍の対オカルト部署の寄せ集め部隊であり、その手の装備についてはかなりの不安があった。
とはいえ、彼らの銃弾は対魔礼装だそうで、一発一発がえらく高くつくとか。
その上、今回の件に絡んで外部の傭兵もアドバイザーとして入れており、彼らの本気ぶりが透けて見える。
事が米軍基地内である事から私は手出しをできない訳で、司令棟の一室にてある種の監禁に近い扱いを受ける。
ここから彼らがうまく仕留められるかどうかを祈る事しかできない。
「さてと、サーヴァントがこの後どう出るのか考えないと……」
暇を持て余した私は逃げ出したサーヴァントのこの後を考える。
カーシュラが令呪で服従させる前に殺されたのが原因なのだろうが、暴れた後隠れたのが気になる。
いや。ある意味サーヴァント側の思考と考えればあり得るのは一つだ。
あのサーヴァントより強い奴が近くに居て、サーヴァントを潰そうとした。
少なくとも私ではない。
ましてや、到着した米軍部隊でもない。
知らない番号から携帯が鳴るので取ると、女の声が聞こえてきた。
「もしもし?
単刀直入に言います。
例の化け物を潰したいので手伝ってくれませんか?」
「この電話米軍も聞いていますよ」
「構いませんよ。
彼らには何もできないでしょうし、被害を増やしたいなら構いませんが」
「どうして私に?」
電話の女はいともあっさりと、こう言ってのけたのである。
とてもいい声で核心をもって。
「だって貴方、私と同じ化け物じゃないですか」
と。
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