第七十一話 詰所の中その二十
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「いいことよ」
「そうですか」
「覗きとかは最低の行為だしね」
「どうでもいい人の裸とか興味ないですし」
「本当にないの」
「僕が興味があるのは本当にです」
また私に言いました。
「一人です」
「その一人の人になのね」
「興味があります、ですがその人にも覗きなんて」
こうしたことはというのです。
「しないです」
「やっぱり紳士ね」
つくづく思いました。
「新一君は」
「紳士かどうかはともかくその人にも」
私をじっと見て言いました。
「絶対にです」
「覗きとかしないの」
「正面から堂々と見たいです」
「正面から?」
「もうどうせなら」
「見たくないとは言わないのね」
「いえ、女の人には興味ありますから」
このことは事実だからだというのです。
「僕も」
「そのことは否定しないのね」
「そりゃ同性愛にも興味ないですし」
「女の人が好きで」
「その人は一人ですよ」
ここでも私をじっと見て言います。
「だからです」
「そうなのね。その人物凄く想われてるわね」
私もこのことはわかりました。
「誰か知らないけれど幸せな人ね」
「幸せですか、その人」
「人にそこまで想われるなんてね」
新一君の一途さはわかります、というかここまで一途に誰かを想うなんてそうは出来ないことだと思います。
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