第十一幕その六
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「ただ単に地位や権力に反対して」
「ああ、テロや殺人をいいと言うのならだね」
「もうその人はね」
それこそというのです。
「生きていてもね」
「意味はないね」
「自分がそのテロや殺人に遭ったらどう思うかな」
「当然ふざけるなって思うよね」
「誰もがそう思うよ」
「関係なくてそうなったら理不尽だからね」
「その理不尽な暴力の酷さ、被害に遭う人の痛みや苦しみや悲しみがわからないなら」
それならというのです。
「遺族の人達のそれも含めてね」
「しかもわかろうとしないならだね」
「こんな愚かなことはないよ」
こう言うのでした。
「本当にね」
「それは幾ら学問の知識があってもだね」
「人間として欠かしてはいけないね」
「うん、そういうものだね」
王子も頷きました。
「そうしたことはね」
「それがないのならね」
「人の痛み、苦しみ、悲しみがわからない」
「それでわかろうともしないね」
「そして命の大事さもね」
このこともというのです。
「わからないんだからね」
「それじゃあだね」
「もっと言うと権力に反対するなら殺人もテロもいいなら」
それならというのです。
「法律もいらないね」
「そうだね」
「法律がないとどうなるか」
「無法だね」
「何の力もない人はどうなるのかな」
「暴力に苛まれるだけだね」
「だから法律は必要なんだよ」
先生は法学者でもあります、だからこう言うのでした。
「絶対にね」
「人にとっては」
「そうしたこともわかっていないから」
「これ以上はないまでにだね」
「愚かだよ」
「生きる価値がない位の」
「勿論僕はそんな人に何もしないよ」
先生はです。
「そんな人でも命だからね」
「暴力は振るわないね」
「そうするよ」
「それが先生だね」
「だからね」
それでというのです。
「そんなことはね」
「しないね」
「うん、ただね」
「ただ?」
「その人達が更正するなら相談したいって言うなら受けさせてもらうけれど」
「そのままいってもだね」
「とても助ける気にはなれないね」
こうお話するのでした。
「とてもね」
「大切なものが一切わかっていないからだね」
「そうだよ」
まさにというのです。
「そうした人はね」
「助ける気になれないんだね」
「とてもね、人間はね」
「大切なものは持っていないと駄目だね」
「人の痛み、苦しみ、悲しみ、命の大事さがね」
そうしたことがというのです。
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