第五百八話 山海の珍味をその五
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「飲まずにいられるか」
「主はそうだな」
「だから飲むぞ」
「うむ、付き合うぞ」
「そう。お酒は飲むもの」
謙信も言うことだった。
「いつも」
「私は遠慮するわ」
信奈は酒は一口だけだった。
「これでね」
「そういえば貴女飲まないわね」
「お酒は物凄く弱いのよ」
赤城に困った顔で返すのだった。
「本当にね」
「そうなの」
「ええ、ちょっと飲んだらね」
それでというのだ。
「もう次の日頭が痛くて仕方なる位によ」
「酔うの」
「どうしても駄目なの」
酒はというのだ。
「だからお茶が好きなのね」
「実は信奈様は甘党だ」
「そうなのです」
勝家と長秀がこのことを話した。
「もう子供の頃から」
「それでお酒は弱いんだ」
「ですからお酒はです」
「もう勧めないでくれ」
「それではね」
「それなら仕方ねえな」
ユルセンも納得した声で頷いた。
「お茶でも楽しんでくれよ」
「そうさせてもらうわね」
「ジュースでもな」
そちらの飲みものも話した。
「そうしてくれよ」
「それではね」
「どんどん持って来い」
仙人は大盃をわざわざ出している、そこに酒の並々と入れて飲んでいる、当然肴もふんだんに用意している。
「わしは飲むぞ」
「この人は変わらないな」
「全くだな」
伊勢と日向はその仙人を見て話した。
「誰よりも飲んで食うな」
「そうだな」
「何もしねえどころか迷惑かけまくりだってのにな」
ユルセンは仙人についても言及した。
「本当に大飯喰らいの大酒のみだな」
「何っ、ではわしが役立たずみたいではないか」
「役立たずよりひでえだろ」
ユルセンの返答は容赦のないものだった。
「動けばそれが迷惑になるからな」
「そういえばそうですね」
迷宮蟻Aはユルセンの言葉に頷いた。
「この人って」
「そうだろ」
「何かすれば」
「何でもないことでもな」
それでもというのだ。
「何かしらな」
「騒動になりますね」
「それがこのおっさんなんだよ」
仙人を観つつ話す。
「もうな」
「動くだけで、ですね」
「いらねえ騒動起こしてな」
「迷惑をかけるんですね」
「そうなんだよ」
こう言うのだった。
「だからな」
「役立たずよりもですね」
「ひでえんだよ」
「そうですね」
「しかしですね」
迷宮蟻女王も言った、二人も飲んで食べている。
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