第六百六十九話 勝ったということにしてその十
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「そしてじゃ」
「甘いマッコリを飲むんですね」
「これが一番であろうな」
「マッコリもいいですね」
「要するに濁酒じゃ」
博士はマッコリをこう評した。
「お米のお酒でな」
「濁ってますしね」
「清酒ではなくな」
「そっちですね」
「こう言うと昔からある」
マッコリという酒はというのだ。
「韓国だけでなくじゃ」
「日本にもありますね」
「そうじゃ」
こう言うのだった。
「上杉謙信さんも好きであった」
「あの人無類の酒好きで」
「それでじゃ」
「当時は清酒じゃなくてですね」
「濁酒であったからな」
その為にというのだ。
「毎日な」
「夜になるとですね」
「飲んでおった」
「そうだったんですね」
「あちらから見ると濁酒をな」
この酒をというのだ。
「飲んでおったのじゃ」
「そうだったんですね」
「それでマッコリはな」
あらためてマッコリの話をした。
「焼肉にじゃ」
「よく合うんですね」
「そうなのじゃ」
こう言うのだった。
「これがな」
「そうですか」
「わしとしてはな」
「焼肉に一番合いますか」
「ワインと並ぶ」
ここでもワインを言うのだった。
「マッコリはな」
「そうですか」
「うむ、しかしな」
「ビールもいいんですね」
「それも捨て難たいのう」
「そうですか」
「それで楽しんでくるとよい」
焼肉にビールの組み合わせをというのだ。
「存分にな」
「じゃあそうしてきます」
「それではな」
「そういえば博士ビールも飲まれますね」
「基本ワイン派であるがな」
それでもというのだ。
「好きか嫌いかというとな」
「お好きですね」
「エウロパにおる時は朝から飲む」
「あちらの流儀で」
「これがまた美味いのじゃ」
朝からビールを飲むことはというのだ。
「実にのう」
「そんなにいいんですか」
「連合でやったら怒られるがな」
「堕落の極みですね」
「朝から酒を飲むとな」
「はい、本当に」
野上君もこう言った。
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