第六百六十九話 勝ったということにしてその八
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「牛でも豚でもね」
「うむ、内臓を食べるのはよいことじゃ」
博士も太鼓判を押してきた。
「生きもののな」
「よく言われますよね」
「ケイローンは弟子達にレバーを食べさせておった」
「ギリシア神話ノケンタウロスですね」
「射手座のな」
この星座になっている、尚ケイローンは粗暴で好色なケンタウロスの中では珍しいとされる賢者だが実は神の血を引いているという。
「それは何故かというとな」
「レバーが身体にいいからですね」
「だからじゃ」
その為にというのだ。
「食べさせておったのじゃ」
「そうでしたね」
「日本では昔は鳥の内臓は食わんかったがな」
「何でですか?」
「あたりやすいからじゃ」
「ああ、昔は保存技術が未熟で」
「内臓は一番腐りやすい」
生きものの身体の中でだ。
「それでじゃ」
「食べない様にしていたんですね」
「あたりやすい、つまり毒があるとな」
「そう言ってですね」
「それでじゃ」
その為にというのだ。
「昔の日本ではな」
「鳥は食べてもですね」
「内臓はな」
そこまではというのだ。
「食べなかったのじゃ」
「そうだったんですね」
「あたりやすいとな」
「食べない方がいいですね」
「下手をすれば死ぬ」
そこまで至るというのだ。
「本当に毒があるが何故河豚を鉄砲と呼んだか」
「あたると死ぬからですね」
「そうじゃ」
「ああ、鉄砲の弾にあたるとな」
ライゾウはその話を聞いて言った。
「本当にな」
「死ぬからね」
タロも言った。
「だからだね」
「河豚にあたると死ぬからな」
「猛毒だからね」
「それで鉄砲か」
「いい語呂合わせだね」
「大坂の言葉じゃ」
江戸時代のというのだ。
「ちなみに大坂であった」
「大阪でなくか」
「そうなるんだね」
「江戸時代まではな、それであたるとな」
「怖いからか」
「昔の日本では鳥の内臓は食べなかったんだね」
「左様、すぐに焼かぬとな」
さもないと、というのだ。
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