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レーヴァティン
第二百五十九話 ヴェネツィアに向かう中でその十六

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「そうした知性があるとよ」
「悪意も人間に近いわね」
「本能的ではなかとよ」
 香織もそれは否定した。
「間違ってもたい」
「考えて計画的な」
「そうしたものたい」
「そういう神様ね」
「そうたいな、神様といっても色々たい」
 一口にそう呼ぶ存在といってもというのだ。
「日本の神道やギリシアや北欧の神々もいればたい」
「キリスト教の神様もいるわね」
「そしてクトゥルフ神話の神々もたい」
「いるわね」
「けれど」
 それでもというのだ。
「ラグクラフトの神々は聞かんとよ」
「そして魔神そんな気配はない」
「そうたいな」
「この二つも覚えておくべきかしらね」
「魔神を考えるうえで」
 この神が何者かということをというのだ。
「そうしたこともたい」
「頭に入れて」
「魔神について考えていくこともね」
「よかたい」
「そうかも知れないわね」
 香織のその言葉に頷いた、そうしてだった。 
 留奈は話が一段落したところでまた景色を観た、そのうえで香織に対して微笑んでこう言ったのだった。
「見えてきたわよ」
「ヴェネツィアが」
「ええ、水の都がね」
 そう呼ばれているその街がというのだ。
「いよいよ。それではね」
「これからヴェネツィアば入って」
「そしてね」
 そのうえでというのだ。
「条約を結びましょう」
「そうたい、その為にこの浮島に来たたいし」
「そうしましょう」
「もうお互いの話は整ってるとよ」
「だから後はサインだけよ」
「印を押すだけたい」
「それをしましょう」  
 それぞれの書類にとだ、こう話してだった。
 一行はヴェネツィアに入った、そしてその大聖堂に赴くのだった。


第二百五十九話   完


               2022・5・23
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