第三十四話 梅雨が終わればその一
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第三十四話 梅雨が終われば
留奈はクラスでかな恵達四人に昨夜の母との会話のことを話した、すると富美子は驚いた様に言った。
「あの人天理教の信者さんだったのね」
「富美子も知ってたのね」
「ええ、どうしようもない人がいるってね」
留奈にそれはという顔で答えた。
「聞いていたわ」
「そうだったの」
「ええ、けれどどういった人かはね」
「知らなかったのね」
「詳しくね、けれど天理教の信者さんで」
「それで信者さんでもね」
「全然信仰心なかったのね」
富美子はこうも述べた。
「そうだったのね」
「そうね、聞いてる限りだとね」
「全然信仰心ないわね」
「信仰してたらね」
留奈は述べた。
「仕組みなんてどうでもいいって思うわね」
「その人教えが良くても仕組みが悪いとどうしようもないっていつも言ってたそうよ」
「そうなの」
「その人の話お姉ちゃんから聞いたけど」
富美子の場合はそうだったというのだ。
「お姉ちゃんはどの宗教か知らなかったけれど」
「文句ばかりなのは知ってたのね」
「それでね」
そのうえでというのだ。
「教えのよさなんか言わないで」
「仕組みの文句ばかりね」
「そうだったのは私も聞いたわ」
「そうなのね、お母さん教えが良くてもとか言ったのは言わなかったわ」
留奈はこのことも思い出して話した。
「知らなかったのかしら、このことは」
「そうかもね、しかしその人信仰してね」
富美子はさらに言った。
「真面目にやってたらね」
「不平不満とか言わずに」
「そうしていたら」
それならというのだ。
「人生イージーモードだったかもね」
「奥さんに一生食べさせてもらって」
「それでね、十七年か八年一緒だったそうだし」
「えっ、私もそう聞いてたけど」
理虹は顔を顰めさせて言って来た。
「その人のことは。けれど奥さんそれだけ一緒にいたなんて」
「思わなかったの」
「働かないで何しても文句で」
それでというのだ。
「しかも偉そうに言うんでしょ」
「そうよ、何も出来ないのにね」
「そんなのと三日も一緒にいられないわよ」
理虹は強く言った。
「絶対に」
「けれどその人はね」
「十七年か八年もなの」
「一緒にいたそうよ」
「相当我慢強い人ね」
「働かないで家事もしないで」
「それで文句ばかりで偉そうなんて」
そうした輩だからというのだ。
「もうね」
「一緒になのね」
「三日といられないわ」
「それ言ったらあたしもよ」
富美子は顔を顰めさせて言った。
「そんな人とはね」
「三日とでしょ」
「そうよ、しかも図々しくて大飯喰らいでしょ」
「そうよね」
「そんなのと十七年とか八年なんて」
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