第七話 老婆の肖像その十一
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えた。
「一番だったわよね、学年で」
「それも全学科でね」
「殆ど満点で」
「絵に描いた様な。彼は美術部だけれど」
この辺りは駄洒落めいたものになっていた。美術部は絵を描くものだからだ。
「それでもね」104
「ええ、本当にそんな感じの秀才よね」
「天才っていう感じはしないけれど」
十字が人に与える印象はそちらだった。彼は雰囲気からも秀才タイプとわかる感じなのだ。
「それでも。抜群の秀才だよね」
「そうよね。けれどあの人はね」
「呼ばれてないんだ」
「そうみたい」
今一つはっきりしない感じでだ。雅は話した。
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