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展覧会の絵
第七話 老婆の肖像その十
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「それでもね。そうした夜のお店はね」
「居酒屋位は大目に見てもらえますが」
「けれど居酒屋とは思えないね」
「居酒屋は明るく楽しく飲む場所です」
 それぞれがだ。そうした明るく楽しい場所ではだというのだ。
「ですから」
「うん。そうした場所で人は暗い接触をしないよ」
 悪を為す場所は影に隠れている。悪は自然とその姿を隠そうとするからだ。
「だから居酒屋ではね」
「それはないですね」
「うん、ないよ」
 十字は静かに述べた。
「だから接触しそうな店は」
「会員制のバー等になるでしょうか」
「そうした場所だね。調べてくれるかな」
「はい。そしてそうした店の人の出入りもね」
「畏まりました」
「さて。調べ終えて」
 まずはそうしてからだった。
「そしてね」
「全て調べてからね」
「はい、そのうえで遂にですね」
「動くよ」
 十字は一言で答えた。
「全てを整えてからね」
「それからですね」
「そう。まずは全てを調べ」
「そして準備を整えてから」
「そのうえでね」
 こう言ってだった。十字は今は調べそのうえでだ。手を打っていくのだった。
 だが彼が整えるその中でだ。また一つ邪悪な動きがあった。
 塾の裏手から出て来た一川達はだ。溜まり場となっているゲームセンターで缶ビールを飲みながらだ。だべりつつこんなことを話していた。
「おっさんはいいって言ってきたな」
「だよな。ゴーサインは出たしな」
「雪子の奴も用意してくれたし」
「あいつが十階呼ばれてそれでな」
 そうしてだとだ。適当にレトロな格闘ゲームをしつつ話していた。
「あいつをヤク漬けにしてか」
「で、俺達が頂くか」
「今回は一郎さん手をつけないらしいぜ」
 山岡が彼の名を出してきた。
「何でも好みじゃないらしくてな」
「そうなのか。あの人はか」
「今回加わらないのか」
「らしいな」
 こう話されるのだった。
「けれどおっさんが気に入ったらしくてな」
「おいおい、おっさんもいい歳してお盛んだよな」
「昨日小六の娘を嬲りものにしてたよな
「いや、あれ四年生だったんじゃないのか?」
「五年生だろ」
 学年のことでだ。少し言い合いになるのだった。
「まだ初潮もきてない感じだったけれどな」
「そんな娘に覚醒剤打ってそれでSMやってたな」
「本当に教育者でよくやるよ」
「っていうか教育者だからだろ」
 この辺りはだ。四人は笑いながら話すのだった。下卑た笑いでだ。
「学校の先公って碌な不祥事起こさないだろ」
「だよな。そういえばレイプとか暴力事件とかよく起こすからな」
「だからおっさんもなんだな」
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