第五百七話 和歌山の馳走その十四
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「これからはな」
「服は制服と下着あったら何とかなりますけれどね」
明久は両手を頭の後ろにやって笑って話した。
「それで」
「お前今は違うだろ」
「姉さんが買ってくれる様になったからね」
こう雄二に返した。
「今は結構服も持ってるよ」
「家にガスも通ってな」
「お料理以外はね」
明久はこのことは暗い顔で述べた。
「かなりね」
「よくなったな」
「今はね」
こう言うのだった。
「そうなったよ」
「それは何よりだな」
「うん、けれど実際にね」
「服はか」
「制服と下着あったらだよ」
「何とかやっていけるか」
「そうだよ、ただ氷室さんはね」
その彼を見て話した。
「やっぱりスーツも一着だとね」
「駄目だな」
「何着も必要で普段着もね」
「必要だな」
「いつも裸じゃいられないよ」
「待て、僕は家では服は着ない」
美炭が言ってきた。
「それは駄目なのか」
「ええと、それはその」
「まああれですね」
二人は美炭の言葉に戸惑った顔になって応えた、見れは顔から汗を流して引いているオーラを放っている。
「裸族ですね、美炭さんは」
「そうした主義ですよね」
「それならそれでいいかと」
「僕達はそう思います」
「わかった、ではこれからも裸でいる」
美炭は二人の言葉に頷いて述べた。
「家の中ではな」
「外で裸でなかったら」
「それでいいですね」
「ああ、外で裸だと最悪撃たれるぞ」
フランスが深刻な顔で言ってきた。
「お兄さんそれで銃口向けられたことあるからな」
「当然である」
その銃口を向けたスイスの言葉だ。
「見苦しいにも程がある」
「こう言う奴もいるからな」
「あの、何で裸になったのですか?」
ロレンツォはこのことを尋ねた。
「外で。普通はなりませんよ」
「いや、オリンピックの話を聞いてな」
フランスはロレンツォの問いに答えた。
「それでなんだよ」
「だからですか」
「あれ昔は裸でやったからな」
「それで裸になって」
「そこで銃口向けられたんだよ」
「そうでしたか」
「ったく、スイスは洒落がわかってねえな」
ぼやく様にして言った。
「本当にな」
「あの、全裸はまずいですよ」
モモカもそこはと言う。
「流石に」
「私も撃つわよ」
「私もです」
アンジュもサラマンディーネも言う、アンジュはサラマンディーネと比べて浴衣が今一つ似合っていない感じが否めない。
「流石に全裸ですと」
「普通に銃口向けるわ」
「反射的にそうします」
「それは冷たいな、だから昔のオリンピックはそうだったんだよ」
フランスはまだ言うのだった。
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