暁 〜小説投稿サイト〜
フェアリーテイルに最強のハンターがきたようです
第10章 アルバレス帝国編
第49話 緋色の絶望
[1/9]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
アイリーンの発動したユニバースワンは、大地全体に付加させ形を変えた。
アイリーンがこの魔法を放ったねらいは2つ。1つは、陛下であるゼレフと天彗龍バルファルクをフェアリーテイルのギルドに。1つは、アレンとアクノロギアをできるだけ遠くに追いやるためであった。
しかし、その反作用でフィオーレ王国にいるものは全てバラバラに再配置された。加えて、フィオーレ王国の大地も小さく縮小され、本来の大きさの20分の一となっていた。これは、残るスプリガン12である、オーガスト、アイリーン、インベル、ジェイコブ、ラーケイドが敵であるフェアリーテイルと遭遇しやすくするためであった。
アイリーンは移動した先で不敵な笑みを零す。尊厳のある椅子に座っている感覚を覚える。
「…初めて使う魔法だったけど…うまくいったみたいね…でも、ここはどこかしら…」
「な、何者だ…一体どこから…」
急に玉座の間の王の椅子に腰かける、緋色の髪の女が現れたことで、アルカディオスは酷く狼狽する。しかも、それだけではなかった。
「ア…アレン様とバルファルクの気配が…」
「か…完全に消えておる…」
ヒスイとトーマは、先ほどまで首都クロッカス上空でバルファルクと戦闘を行っていたアレンがいないことに目を見開いて困惑している。
そんな様子を見て、アイリーンはふっと笑いを漏らす。
「あら、ならここはフィオーレの首都ってことね…アレンもバルファルク様もうまく飛ばせたみたいね…」
「な、なんだと…貴様、まさか…アルバレスのものか…」
「アレン様を一体どこへっ!」
アイリーンの言葉に、アルカディオスは身を震わせ、ヒスイはキッとアイリーンを睨む。
「陛下とバルファルク様をフェアリーテイルのギルドへ……そしてアクノロギアとアレンを海を隔てた遠方へ飛ばした…」
アイリーンはまるで自分に語り掛けるようにして口を開く。その言葉に、ヒスイ達が驚いたのは言うまでもない。
「これでアレンとアクノロギアに邪魔されることはない…あやつらが戻ってきたころには…全てが終わっている」
アイリーンはそう呟き、ゆっくりと立ち上がり魔力を解放する。その魔力は大気に付加を与え、熱を生む。そしてアルカディオス含め、その場にいる兵士全員に浴びせる。
アルカディオスたちは、その魔力の強大さに驚く間もなく、その身を焦がし瀕死に追い込まれる。
「た、たったの一撃で…なんて強さだ…」
アルカディオスはそう言って倒れこむ。他の兵士も一瞬で戦闘不能に陥り、意識を失っている者も多く見られる。
そんなアルカディオスや兵士たちを一瞥した後、アイリーンはヒスイとトーマへと視線を移す。アイリーンの視線を受けたトーマは震え、ヒスイは先ほどの魔力を感じ取ったこともあり、酷く怯え、その目には涙が浮かんでいた。
「た、頼む…わしは、どうなってもいい…娘
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ