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フェアリーテイルに最強のハンターがきたようです
第10章 アルバレス帝国編
第49話 緋色の絶望
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つくと、ゆっくりと口を開いた。
「我が名は…アイリーン・ベルセリオン…かつて、ドラゴンの女王だったものだ…」
語らいの開幕…その触りの言葉である『ドラゴンの女王』という言葉…。その言葉に、3人は目を見開いて驚きを見せた。

アイリーンの話は、今から約400年前にさかのぼった。イシュガルの地に、ドラグノフという王国があり、アイリーンはその国で女王の座についていた。
そんなドラグノフの国、引いてはイシュガルの地では、人間とドラゴンは、共に歩み生きていた。だが、イシュガルの外のドラゴンは、人間を喰らって生きていた。そんなドラゴンとの戦いの際、アイリーンは賢竜ベルセリオンから竜の力を授かり、初めての滅竜魔導士となったのだ。その力もあり、大陸外との竜の戦いには勝利した。だが、滅竜の力を得たものは、皆その身をドラゴンへと変異させることとなってしまった。大陸外のドラゴンの力、引いてはそれに乗っかる形で戦争に参加したアクノロギアの力を見たドラグノフの国民は竜の力を恐れるようになり、それは徐々にドラゴンに浸食されていくアイリーンに対しても同じような視線と畏怖を向けられるようになった。そこからのアイリーンの記憶と過去は、凄惨な者であった。夫である男にも畏怖を抱かれ、敵として認識されてしまったのだ。拷問に次ぐ拷問…そして見せしめ。そんな凄惨な仕打ちを受けていたアイリーンであったが、自分は人間であり、敵ではないことを夫である男に何度も言い聞かせた。なぜそれほどまでに耐え忍んだのか…。それは愛する夫の、何より愛する我が子を守るためであった。自身の身体が竜へと変貌を遂げる中、アイリーンは、子どもを、エルザを身ごもっていたのだ。腹の中にいるエルザを守るため、アイリーンは必至であった。しかし、そんな思いも踏みにじられることとなる。アイリーンの死刑が決まったのだ。
アイリーンは、腹の中にいる子どもだけでも助けてほしいと夫に懇願したが、いつまでも生まれぬ子どもに、夫は聞く耳を持たなかった。そんな夫は、アイリーンの右わき腹を剣で切り裂き、子どもがいないことを証明しようとする。そんなときである、アイリーンはエルザを守るため、すべてを投げ捨てたのだ。ドラゴンの姿へとその身を変え、実の夫を殺害し、ドラグノフから脱出したのだ。
それを皮切りに、アイリーンはその後400年、ドラゴンの姿から人間へと戻ることができなかった。完全に身体が竜へと変貌を遂げたのだ。
そして、イシュガルの辺境の地で身を隠すように過ごしていた。そんなときであった。偶然相対することになったゼレフが、自身を人間の姿に戻してくれたのだ。400年ぶりに人間の姿となったアイリーンは歓喜に満ちていたが、食事も、睡眠の、もはや人間のそれではなかった。400年間竜として過ごしてきたアイリーンの身体は、完全に竜へと変貌を遂げてしまったの
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