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八条学園騒動記
第六百六十九話 勝ったということにしてその六

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 機械龍は締め付けを解いてだった。
 超巨大戦艦から離れた、博士はここで戦艦に通信を入れた。
「わしの負けじゃ」
「負けを認めるのか」
「そうするのか」
 戦艦の乗員達はその声を聴いて言った。
「そうなのか」
「何処まで続くかと思ったが」
「博士は敗北を認めたか」
「そうするのか」
 博士は敗北を認めただけでだった、彼等の言葉は聞こえず。
 即座に撤収した、艦長は宇宙空間の中に消えてく九頭の機械龍を観つつ言った。
「どうやら我々はな」
「敵は退いたのですから」
「勝った」 
 傍らにいる副長に話した。
「そうなった」
「そうですね」
「敵を倒せば勝利だが」
「退けてもですね」
「勝利だ」
 この場合もというのだ。
「だからな」
「我々はですね」
「勝ったのだ」 
 博士が敗北を認め退いたからだというのだ。
「それが果たせた」
「よかったですね」
「うむ、しかし艦全体が締め付けられ」 
 そうなってというのだ。
「損傷は受けた」
「そうですね」
「だからな」
「湊に戻れば」
「整備を受けるが」
 これは絶対のことだ、連合軍は出港前と帰港の後は必ず整備を受けてそのうえで故障等が起きない様にしているのだ。
「今回はな」
「念入りに受けますね」
「ドッグに入ることもな」
 この場合もというのだ。
「考えておかないとな」
「左様ですね」
「だが死傷者はいなかった」
 艦長はこのことも話した。
「このことはいいことだ」
「まさにその通りですね」
「だからな」
 それでというのだ。
「このことは喜んでな」
「そうしてですね」
「帰ろう」
「はい、それでは」
「今から港に戻る」
 艦長はこの指示を出した。
「総員戦闘配置を解く」
「艦載機も陸戦隊も艦内に戻り」
「そしてだ」
 そのうえでというのだ。
「湊に戻るぞ」
「わかりました」
 副長も応えてだった。
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