暁 〜小説投稿サイト〜
絶撃の浜風
外伝 Tesoro italiano 〜イタリアの至宝〜 01 イタリアの至宝
[10/12]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初
まり演習に出てないよね? 何で?」


「何でって、そりゃあポンコツだからに決まってるよ。実戦じゃ、あんまり役に立たないもの、この子」


「え、何で?」


「ポーラが凄いのは二発目だけ。あとは撃てば撃つほどにどんどん外れてくのよね〜 だからだ〜れも組みたがらない 従って演習の機会は規定ギリギリの三回まで」


「いやいや、弾着観測するから、修正して当たるようになるでしょ普通」


「Zara砲ってさ、二発目以降は弾道が安定しないのよ。だから弾着観測も最初の一発目だけ。それ以降はやっても意味ないのよね。そうでなくてもあいつの狙う距離って半端ないし」


「だからって、二発目から当てる?普通? 照準だけじゃなくて、風や温度に湿度、バレルにだって一つ一つ癖があるし・・・地球の自転や揺られる波の動きまで、射撃指揮装置を使っても、完全な弾道予測は不可能じゃない!それ以上の力があるってのポーラは!?」



「・・・あるのよ・・・・・・・・・だから言ったじゃない。あの子は《イタリアの至宝》なの・・・・・《元》だけど」



それを聞いて、足柄はまた考え込んでしまった。そして何やら思案したかの後・・・




「ねぇ・・・それだけの力があるなら、何もZara砲に拘る必要ないんじゃない? 例えば3号砲なら、きっと活躍出来るよね? 夕張はどう思う?」


「・・・それは・・・・多分・・・そうなんだと思う・・・・」


「・・・!!・・・じゃあ!!!」


「だけどそれは無理。 あの子はZara砲以外に興味ないもの・・・・」


「何で? もったいないじゃない! あんなに凄いのに。これを見れば、誰もポーラの事を馬鹿にしたりしないでしょ?」



 そう口にした傍から、足柄は自分もポーラの事を軽んじていた一人であることに気付き、恥ずかしさで赤面する



「・・・正確に言うとね・・・ポーラは、Zara砲の改修以外は興味ないのよ・・・というか、そのためだけに、艦娘やってるようなものだもの・・・・・」


「それって、どういう・・・・」



 そこまで言いかけて、足柄は飲み込んだ。夕張が暗くうつむいている様を見て、どうやら抜き差しならぬ事情がある事を察したからであった



「ポーラはね、何年も前から、それはもう、毎日毎日、Zara砲で撃ち続けているの・・・・その膨大な射撃データを私が解析して、ザラの艤装のアシストシステムのバージョンアップに反映させているわけ・・・。あの子は、言ってみればザラのためだけに、艦娘やってるのよ・・・」



「・・・そんな・・・・何で・・・・・」



「・・まぁ・・・色々あるのよ・・・・・私じゃ、そこまで踏み
[8]前話 [1] [9] 最後 最初


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ