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絶撃の浜風
外伝 Tesoro italiano 〜イタリアの至宝〜 01 イタリアの至宝
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「あちゃ〜、酔っ払ってると強気だわ。あっち狙ったかぁ・・・しかも二発撃ってるし」





「・・・え?」




 ポーラの放った二発の砲弾は、高い放物線を描きながら水平線の向こう側へ消えてゆく。夕張が用意したモニターが、弾道をリアルタイムに追尾していた。そしてその二つの砲弾は、20cm級のターゲットの遙か奥、14インチ級の的の、その更に奥にある黒塗りのターゲットの・・・・・それを支えている支柱に直撃した




 そして・・・・




 一発目が直撃した所と寸分違わず同じポイントに二発目が直撃し、支柱がポッキリと折れてしまった



 そして、撃ち果たして満足したのか、ポーラはその場に座り込み、再びワインの瓶を抱きしめ横になると、そのまま寝てしまった





「・・・え・・え? ちょっと待って、あれって、何?」



「え?・・・・・・・・・・・・・的だけど?」



「そうじゃなくて、今、14インチターゲットの先にある黒いの・・・それの支柱にに当たったでしょ!!」


「・・・そぉねぇ・・・命中したけど?・・・・それがどうかしたの?」


「あんた、わかってて言ってるの? 14インチターゲットは長距離・・・戦艦の有効射程距離じゃないの! それより奥まで飛んでるのよ! しかも支柱に当たってるじゃない!!!」


「あははは、ごめん・・・・そっか・・・・足柄さんは知らなかったんだね。妙高型の人は、みんな知ってるかと思ってた」


「・・・妙高型って・・・?」








「あれが・・・・ポーラの本当の実力だよ・・・」




そう言った夕張の瞳はどこか悲しそうで・・・いや、今にも泣き出しそうに映った



「あ、あんなに飛ぶなんて・・・・」



足柄は唖然とした。重巡が、超長距離まで砲弾をぶっ飛ばすなんて話は、聞いた事がない



「すごい・・・・あ、でも、当たったのは流石にまぐれよね?」





「まぐれか・・・・」




困ったような、何とも複雑な表情をして夕張は呟く・・・



「私ね、もうここ何年もポーラの射撃テストに付き合ってるんだ。それでね・・・・」









「・・・ポーラが二発目を外したところ、まだ一度も見た事ないんだ・・・・」




「・・・・うそ・・・・」






二発目・・・とはつまり、弾着観測後の射撃を意味する

 それはすなはち、ターゲットの位置を特定した時点で、ポーラは絶対に外さないと言っているに等しかった





「妙高さんと、羽黒さんは知ってるわよ
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