外伝 Tesoro italiano 〜イタリアの至宝〜 01 イタリアの至宝
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る気がしなかった。ワインの飲み過ぎで、本当に頭がバカになってるんじゃないかと、割と本気でそう思っていた
彼女から見て、ポーラという艦娘は《ザラのおまけ》に過ぎなかった。あの優秀な姉をこの鎮守府に招聘するにあたり、ザラがポーラの同行を移籍の交換条件として認めさせたのだろう・・・と
そうでなければ、ただでさえ艦娘の充実したこの鎮守府にこのぽんこつ娘を招き入れる理由がない・・・そう思っていた
何しろ、ザラはこの妹、ポーラを《溺愛》していた。人目も憚らず、甲斐甲斐しくあれこれと世話を焼く光景は、この鎮守府における一つの風物詩となっていたからだ
《ま、頭の方はともかく、見た目はかわいいからね、この子は。愛嬌もあるし》
などと、かなり失礼な事を足柄は思っていた
だが、この足柄の予想は事実とは異なる。むしろ全くの逆であった
《おまけ》は・・・・ザラの方であった
そんな不遜な事を考えていた足柄であったが、少し気になる事があった
何故ここに夕張がいるのだろう?
彼女は今、大本営から派遣されてきた明石と共に、深手を負った不知火の艤装の再建造で忙しい身の上のはずである。こんなところでポーラと遊んでいる暇はないはずなのだが・・・・
「夕張おつかれ〜。艤装のテストって何? 何でポーラなの?」
畳みかけるように質問攻めする足柄であったが、そんな気易い彼女に対し、夕張はいぶかしそうに眉を潜める。迷惑しているという気持ちをまるで隠す気がないのは、いかにも夕張らしかった
「その前に、足柄さん・・・・今日はここ、立ち入り禁止なんですけど?」
「でも、あなたたちはいるじゃない? 何で?」
まるでとりつく島もない。こういうタイプはまともに相手をするだけ無駄だと悟る
「・・・・まぁ、足柄さんは妙高さんの妹だし・・・・まぁいいか・・・・」
「・・・?」
「一応、他言は無用ね? 整備日だからお休みってのはウソ! この射撃テストを誰にも見せたくないから便宜上そうしてるだけ。 わかった?」
「・・・・わかんない。 ちゃんと説明してよ!」
「んもぅ、しょうがないなぁ・・・・ホントに内緒なんだからねっ?」
「言わない言わない! だから教えて!」
「・・・さっき、足柄さんはポーラの事をポンコツって言ってたけど・・・・・」
少しだけ逡巡したあと、夕張はこう言った
「・・・今はあんなだけど、昔は凄かったらしいよ。子供の頃は《イタ
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