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絶撃の浜風
外伝 Tesoro italiano 〜イタリアの至宝〜 01 イタリアの至宝
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「え〜い、やめやめっ!!! こんなの私らしくない! もう悩むのやめたっ!!!」



唐突に足柄は吹っ切ろうとする



 元々、天真爛漫ではっちゃけた性格の足柄は、ベクトルさえ定まれば切り替えは早いはずであった。ここの所ずっと鬱屈した日々を過ごしていた彼女であるが、元来うじうじするのは向いていなかった




「こーゆー時は、バンバン撃ちまくるに限るわね! ええ、みなぎってきたわー! これよぉっ!!!」


 

 一見、自棄になっているようにしか見えないが、これは別に思いつきだけで言った訳では決してなかった



これは・・・前から考えていた事だった

 

 那智は、私とのレベル差をかなり気にしている。差が詰まると、決まって那智は問題を起こす


 ぬいちゃんに大怪我を負わせてしまったのも、丁度そんな時だった。そしてあの特別演習で、妹の羽黒にこっぴどくやられてからというもの、それは益々酷くなっていた


 本当は、那智もわかっているのだと・・・思う


 那智は・・・・姉妹の中では疑う余地もなく・・・・・・・・・最弱だ、という事を・・・・


 それに気付いてから、私はずっと考えていた


 これは私の本音だ・・・もう・・・那智が醜態を晒す姿を・・・見たくなかった


 あの、男気があって、竹を割ったようにさっぱりとした性格の那智は、私にとって、妙高姉さんとは別の意味で誇らしい姉だった


 あんな情けない姿を晒させる位なら、私はいくらでも那智の慰めになろうと・・・・恐らくはずっとそう思っていた・・・のだと思う


 那智が私を見下す事で、一時の慰めを得ているというのなら、私はいくら踏みにじられても構わない・・・・


 それで那智の気が済むのなら・・・・




 例え、それが只の幻想であったとしても・・・・・







 足柄が、突然射撃練習を思い立ったのには、理由があった。それは・・・妙高や羽黒の言っていた事が頭にあったからである



 艦娘は、実戦形式の演習や、実戦を経なければその経験がステータスに反映される事がないため、射撃練習でLVが向上することはない。那智に言わせれば、レベル上げが期待できない射撃演習など無意味で、やる価値はない、そうだ


 だが、妙高や羽黒は全く逆の考えだった。LVやステータスの向上は単なる結果でしかなく、地道な訓練を日々繰り返し、絶対の自信を持つまでやり抜いて、それでやっと実践で使える程度になるのだ、と。日頃の訓練への取り組み方を見る限り、その考えに確信を持っているのが覗えた


 それは皮肉にも、先日の特別演習でそれが証明されてしまっていた
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