(壱)長い夜
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るのに加持は気付く
《・・・これだ・・・この闘争心・・・》
一瞬あっけにとられた加持だったが、そんなアスカを見ていると胸が痛む
《・・・・・アスカは子供の頃からそうだったな・・・・》
アスカは大変な負けず嫌いの性格だった・・・・いや、負けることが許されないと思い込んでいた・・・・ 人に無理だと言われても、
『そんなの、やってみなけりゃわからないじゃない!』
と言って、自分で試してみるまでは決して納得しない。
それは時として大きな失敗をする事もあったが、自分に限界を敷かない彼女の生き方は、結果として彼女自身を大きく成長させてきた。
わずか13才でドイツのESMT(European School of Management and Technology)を卒業し、エヴァパイロットとしても一線級の技術を有する彼女は今や怖いものなしだった。
まるで世界が自分のために回っていると錯覚しているのではないかと思われるくらい、アスカは自信に満ち溢れていた。
だが・・・・・・
《・・・・・最近のアスカは、すっかり成長が止まってしまったな・・・・・》
シンクロ率も、三ヶ月前のドイツでのテストで既に頭打ち状態だった。
理由はわかっている。
自他共に認めるナンバーワンとなった時点で、アスカには努力する理由がなくなってしまったからである。
彼女にとって、エヴァに乗る事は自分自身を認めてもらう手段でしかなかった
だが、碇シンジの出現で、アスカが再び努力する理由が出来た事になる
《・・・・それと、もう一つ・・・・》
煙草を燻らせながら、加持はため息をつく
《・・・だが、こいつばかりはどうにもならないかも知れないな・・・・》
アスカは、エヴァ・パイロットとしての適性に重大な問題を抱えていた
それは、ずっとアスカを見続けてきた加持だけが知る、致命的な欠陥であった
《・・・・碇シンジくん・・・・・か・・・・・》
《・・・彼が・・・アスカのいい刺激になってくれればいいんだが・・・・・》
《・・・・彼が付いていれば、アスカも死なずに済むかもしれない・・・・・・・・》
《!?》
加持は自分の脳裏に浮かんだ考えが奇妙である事に気付いた
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