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終局の続き
(壱)長い夜
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《・・・考えてみれば、俺の人生は裏切りの連続だったような気がするな・・・・いや・・・今も、そうか・・・・》





特務機関ネルフ 特殊観察部所属 加持リョウジ・・・・同時に日本政府内務省 調査部所属 加持リョウジ・・・・・そして、ある人物を監視する為にゼーレの密命を受けネルフに送り込まれた彼は、3つの立場を揺れ動く三重スパイであった・・・・

彼が“動く”という事は、いずれかの組織の密命を受けている事を意味し、同時にそれは他の二つの組織を裏切っている事でもある

・・・・・・そして今回の船旅は、彼にとってもう二度と後戻りする事の出来ない所へ“踏み出した”危険な片道航路だった





《・・・贖罪・・・・・真実・・・・・・俺は・・・・本当にこれでよかったのか?》








迷いは、捨てたはずだった。








なのに、日本に近づくにつれてアイツの事ばかり頭に浮かぶ・・・





決意が・・・揺らぐ





アイツと暮らした日々・・・・薄汚れた自分の人生の中で、そこだけが輝いていた







『・・・もう一度・・・・』







一瞬そんなことを考えて、すぐに打ち消す


そんな事は、アイツと暮らしている時に何度も考えた事だ


どんなに激しく求め合っても、どんなに忘れようとしても、忘れる事が出来ない・・・・



事が済み、疲れ果てて自分の腕の中で寝息を立てるアイツ・・・・そんな幸せの中にあっても、ふと気がつけば、枕元に立っている亡霊が自分を睨んでいるような気がする・・・・











”兄ちゃん・・・・どうして僕たちを売ったの?”











『・・・・すまない・・・』





・・・・何も・・・・・言い返せなかった・・・・・





その朝、加持は彼女のアパートから姿を消した


そして、他の女を手当たり次第に口説き、そして快楽に溺れるままに抱いた







・・・・・アイツを忘れるために・・・・







・・・・・嫌われる・・・ために・・・・








《・・・・・俺は・・・幸せになってはいけない人間なんだ・・・・》








この日を境に加持はある“決意”をし、自らを死地へと追い込んでゆく事になる・・・・





アスカに近づき、お目付役の任に就いたのもこの日の為に他ならなかった・・・・だがそんな事とは知らず、
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