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妖精のサイヤ人
第十三話:ようこそ!妖精の尻尾へ
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主になっていた。
 いろんな場所に行き、いろんな人に出会い、いろんな宿敵に出会う。
 そんな生活がもはや順風満帆だったとも言えるだろう…。
 
 「…姉さん、結局見つからねえな」

 ギルドから出るときに見上げた空に、思わずこの四年間の目的の一つとも言える問題を口にした。
 ネロ・ハバードは自身を育てくれた人物、姉であるセイラを思い浮かべた。
 4年前のあの日から一度も会えていない、血の繋がっていない姉――正体が悪魔である自身の姉を。

 「…まぁ、焦っても仕方ねえもんな、地道に一歩ずつ…イヤ」

 強くならなければ。
 あの頃よりも強くなったが、それでも目指すべき頂きに至れてない。
 その頂きも超えて更に強くならねば、一歩進む。
 

 「とりあえず…(スーパー)サイヤ人を目指さねえとな」

 黄金の輝きを思い浮かべながら、少年は進もうとして――そして思い出す。
 もう一つ、やるべきことを。

 「あー…そうだ。一回ローズマリーに行かなくちゃならねーと、またエルザに怒られちまうな」

 去年はそれで怒られたからなー、と頭をボリボリと掻いて、一人の少女を思い出した。
 自分を「兄」と親しんでくれる紅い髪の少女と、そして少女が住んでいる教会の人々を。
 そうだ、今度お土産でも持っていこうと意気込み、マグノリアの外へ歩いていく。

 そして少年は知るのだろう、本当の地獄を。
 少年は理想である目標に至れるのだろう、望まぬ形で。
 
 

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