邪神降臨
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の触手が、一斉に超音波メスを放った。
だが。
「させない!」
それを防ぐのは、勇者。
巨大な腕を盾にして、超音波メスを防ぐ勇者。
またしても彼女に阻まれたムーンキャンサーの攻撃。即座に、夜空は桜の花びらに支配された。
「満開! 勇者パアアアアンチ!」
無数の花びらの中から、勇者が巨腕の拳を放つ。
それはムーンキャンサーの顔面に命中。大きくその顔を揺らし、雲海に落ちていく。
だが、それはまだムーンキャンサーへのダメージにはなっていない。そのまま雲海へ方向を定め、一気に急降下していく。
「あっ!」
「待って!」
三人の参加者は、ムーンキャンサーを追って雲海を飛び込んできた。
雲海の下となれば、そこにあるのは当然見滝原の街並み。
その直上を滑空するムーンキャンサー。自らを驚愕と恐怖の表情とともに見上げる小さい人間たちを見下ろしながら、ムーンキャンサーは摩天楼の中を突き進んでいく。
ムーンキャンサー速度はマッハ9を誇る。その動きを中心にソニックブームが発生、見滝原のビル群のガラスを破壊し、町に破片の雨を降らせていく。
「いけない!」
「嘘でしょッ!」
「危ない!」
刀使、奏者、勇者が口々に叫ぶ。
彼女たちは落ちていく窓ガラスの下に先に入り、その身を挺してガラスの雨から人々を庇っている。
「ねえ! どうしてこんなことするの!? 話し合えば、私達だって協力できるかもしれない! お願いだから、話してよ!」
ガラスの雨を一身に受けながら、奏者が訴える。
だが、ムーンキャンサーは耳を貸さない。再び雲海を抜け、上空へ舞い戻る。
「逃がさない!」
そのすぐ後を追随する刀使。少し遅れて、奏者と勇者もそれに続く。
ムーンキャンサーは身を翻して刀使の斬撃を避け、急直下。勇者の装備に体当たりでダメージを与え、奏者に真っすぐ向かっていく。
奏者は、両腕のシリンダーを解放させる。
彼女の後方へ長く伸びていくシリンダー。それは、引き金のように、ムーンキャンサーとの接触と同時に伸縮された。
「我流・特大撃槍!」
奏者が繰り出した、最大威力の拳。かつては月の欠片を破壊することにさえも貢献したその力は、ムーンキャンサーを弾き返し、その進撃を食い止めた。
「ねえ! あなた、参加者なの? 目的があるなら、協力するから攻撃を止めてッ!」
「響ちゃん! ダメだよ!」
ムーンキャンサーは、奏者へ反撃として、その触手より火球を吐き出した。
高温のあまりプラズマと化した火球は、奏者の前に割り込んだ勇者の拳によって打ち砕かれる。
「話が通じる相手じゃない! ここは、戦うしかないよ!」
さらに、満開によって装備している剛腕の攻撃。
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