暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
GX編
第124話:新生・アガートラーム
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への対処に追われている間にマリア達の方へと向かったのだ。

「颯人さん、大変です!? 未来達が!?」
「あぁ、今はガルドに任せとけ!」
「! 気付いてたんですか!?」

 ガリィの狙いがマリア達であり、アルカノイズが囮であるという事には早い段階で颯人も気付いていた。途中からガリィの姿が無くなっている事にもだ。颯人は分かっていて、ガリィを追う様な事はせずこの場に留まっているのである。

「な、何で!?」
「簡単だ、連中にはジェネシスが付いてる。もしここで俺らの内の誰かが下手に抜けてガリィの邪魔をしようものなら、アイツに呼ばれて魔法使いがやって来るかもしれねぇ。流石にこれ以上敵に増えられたら、周囲への被害も大きくなる。現時点でベターなのは、あっちは暫くガルドに頑張ってもらう事なんだよ」

 それにもしもと言う時はマリアも居る。ぶっつけ本番に近いが、ガルドとマリアの2人が居ればガリィを迎え撃つ事も不可能ではない。仮にガリィの援護にビーストが駆け付けたとしても、暫く持ち堪えれば異変を察知した奏達がこちらの増援としてやってくる。そうすれば…………

「ちょっと待てよ! もし引き離された奴らの方に、メデューサ達が待ち構えてたらどうするんだ!?」

 ガトリングでアルカノイズを寄せ付けないようにしながら、クリスが首だけを颯人の方に向けて問い掛けた。その際に出来た隙をアルカノイズの1体が突こうとしてきたが、それは透が投擲したカリヴァイオリンにより防がれる。

「そりゃ絶対にねえから安心しろ」
「何で?」
「キャロル達とジェネシス、アイツらの中は決して良くない。元々魔法使いと錬金術師の間には長い年月の間に出来た確執があるんだ。あのプライド高そうなキャロルちゃんとメデューサが、その確執を無視して仲良しこよしなんて出来るとは到底思えねぇ」

 尤もこれは飽く迄希望的観測である。もしメデューサがワイズマンから積極的にキャロルに協力せよと命令され、メデューサがそれを忠実に守っていれば話は変わってくる。
 だがキャロルの方はワイズマンの事も敬遠の対象にしているだろうから、ジェネシスが何と言おうが必要以上に応援を求めるとも思えなかった。故に、クリスの言う可能性は低いと判断した。

「ま、どうしても心配ならさっさとコイツ等始末してアイツらの後を追おうや。上手く行けば、奏達とも合わせてガリィを何とかできるかもしれねぇからな」

 そうと決まればと言わんばかりに、響は怒涛の勢いでアルカノイズを倒していく。クリスと透もそれに続いて、先程以上のペースでアルカノイズの数を減らしていった。

 颯人はその様子を眺めつつ、視界を少し上の方に向けた。そこには何時の間に放ったのか、颯人の使い魔であるレッドガルーダが宙を舞っていた。





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