暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
GX編
第124話:新生・アガートラーム
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 奏達が異変に気付いたその頃、颯人達の方にはオートスコアラーのガリィが襲い掛かっていた。

 突如大きな水柱が上がったかと思えば、その上にはバレリーナのようなポーズを取ったガリィが立っている。その姿を見て、直前までイグナイトを完璧に制御する為の精神鍛錬の必要性を響達に説いていたエルフナインも驚愕に目を見開いた。

「ガリィ!?」
「夏の思い出作りは十分かしら?」
「んな訳ねぇだろ!!」

 挑発する様に見下しながら話すガリィに、当然の如く食らいついたのはクリスだった。いの一番に前に出ると、彼女は首から下げていたギアペンダントを手に取りシンフォギアを纏った。

「Killter Ichaival tron」

「やれやれ、もうちっと夏休み気分を満喫させてほしいもんだ。大人になったら夏休みなんて殆どねえんだぞ…………変身!」
〈ウォーター、プリーズ。スィー、スィー、スィー、スィー!〉
「!」
〈チェンジ、ナーウ〉

 クリスに続く様に颯人と透が変身し、響もシンフォギアを纏う。

 変身すると、颯人とクリスは真っ先に武器を構えガリィに向け引き金を引いた。相手はまだ動いていない、先手必勝で弾幕を浴びせるのだ。

 だが次の瞬間驚くべきことが起こった。ガリィは2人の射撃を回避も防御もせずに突っ込んできた。何をしているのかと思えば、突っ込んできていたガリィの体が見る見るうちに水の様になり弾けてしまった。

「はっ!?」
「囮か!」

 颯人はそれが水の分身による囮だという事にいち早く気付いた。そして次に何を狙っているのかも即座に気付く。この状況で狙うものなど、死角を突く奇襲以外にない。

 それを証明する様に、一行の背後で水が弾けるようにガリィが姿を現した。ガリィはそこで間髪入れず体をコマの様に回転させ、鋭い蹴りを放った。硬い人形の体で放たれる蹴り、喰らえば痛いどころではない。

「んのっ!!」

 だがガリィの狙いを読んでいた颯人は素早く振り返ると、響を守るようにウィザーソードガンを構えて防御の体勢を取った。と同時に透はクリスの襟首を掴んでその場から引きずるように移動させる。

「ぅおっ!?」
「ぐっ!? つぅ……響ちゃん、大丈夫か?」
「はい! クリスちゃんは?」
「げほっ!? あぁ、アタシもだ。助かったぜ、透」

 何とか敵の先制攻撃を喰らう事だけは免れた颯人達だったが、この場で激しく戦闘を行う上で一つ問題があった。未来とセレナ、そしてエルフナインという非戦闘員だ。この3人が居ては、あまり激しい戦闘は行えない。

「マリアさん、ガルドさん! 未来達をお願いします!」
「あぁ、こっちだ!」

 マリアとガルドと言う、頼りになる大人2人に避難を任せた。避難させるだけならマリアだけで
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