第10章 アルバレス帝国編
第48話 変異個体
[9/9]
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
が、素直に感謝を述べる。
「そなたは噂以上ですわ…陛下が恐れるのも無理はないわね…しかし、妖精の心臓を手に入れた陛下ならどうかしらね…」
「…黒魔導士が我を…三天黒龍を超える存在になると?」
「可能性はありますわ…アレンやウルキオラ様と同じように…」
アイリーンは特に抑揚をつけずにアクノロギアに答える。
「それまで人間共に手を出すなという話なら…聞く気はない!」
「あら…そなたも元は人間と聞いてますわ…おかしな言い方をするわね…」
アイリーンの言葉に、アクノロギアは目を細め、さらに不敵な笑みを浮かべる。
「けど…そなたの予想通りよ…。邪魔してほしくないの…陛下はね…どこかゲーム感覚なのよ…。しっかりしてもらわないと…」
アイリーンはそう呟きながら杖を地面へと突く。すると、地面が真っ赤に染まり、それはアクノロギアの足元に、辺り一面に広がりを見せる。そして、アイリーンは少しドスの効いた声を上げる。
「戦争を…早く終わらせるためにね…」
地面を真っ赤に染上げる魔力は、辺りに鎮座する岩を飲み込み、赤き平野を作り出す。アクノロギアはそんな様相を見ながら怪訝な表情を見せる。
「なんだ…これは…我が知らぬ魔法だ…」
「そう…400年前にも、それ以前にも存在しなかった魔法…これは新時代の魔法なの…」
アイリーンは俯きながら静かに口を開く。
「大地…大地全体に付加したというのか…」
「そうよ…フィオーレ王国全土にね…」
アイリーンの言葉に、アクノロギアは些少の動揺を見せる。
「うぬは…一体…」
「アイリーンと申します。また会えるといいわね…アクノロギア様…」
アイリーンとアクノロギアは真っ赤な光に包まれる。そして、フィオーレ王国全域にその光は発生し、全ての魔導士たちをゆっくりと包み込む。
フィオーレ王国の西方でその様を見たゼレフは、目を見開いて驚く。
「アイリーン…君はあの魔法を使ったのかい…世界再構築魔法…ユニバースワン!」
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ