敢闘編
第四十九話 第五次イゼルローン要塞攻略戦(前)
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編成しつつ後退する…グリーンヒル提督は他に何か言わんかったかな」
一瞬考え込む参謀長の横に通信オペレータが駆け寄る。
「追伸の様です…殿は第四艦隊が務める、との事です」
「やはりのう。では有り難く下がらせて貰うかの」
「一段落ですね…梃形陣をとりつつ後退せよ!敵の追撃に注意!攻撃の手を緩めるな!…回廊入口まで約十時間、再編成後、現状報告致します」
「うむ」
参謀長の言う通り、やっと一段落じゃの。
「閣下、どうぞ」
「お、バルクマン…ブランデーとはありがたいの」
「気付けにはコーヒーよりよほどいいかと思いまして」
「そうじゃな…ところでじゃが、今回の作戦の次の段階について、ウィンチェスターから何か聞いておるかね?」
「いえ…作戦前に一度連絡したのですが、秘密だ、と言われました。確かに秘密にはせねばなりませんし…知らない方が余計な気をまわさなくて済むだろうとヤツは…いえ中佐は言っていました」
11月20日20:00
銀河帝国軍、ヒルデスハイム艦隊、旗艦ノイエンドルフ、艦隊司令部
ラインハルト・フォン・ミューゼル
敵が退く気配を見せている。一旦下がって再編成するのだろう。敵が退くなら駐留艦隊も一息つける。オペレータがその駐留艦隊からの通信を告げた。
”増援の派遣、助かった。あれがあったおかげで非常に楽になった。そして敵が退く様だ、おそらく再編成のために回路入口まで下がるのだろう。それを見極めた上でこちらも再編成を行いたいが“
「了解しました。当艦隊が前進し警戒監視の任に当たります」
”済まぬな、こちらも艦隊の半数は要塞外で待機させる。では“
ヒルデスハイム伯はクライスト大将からの通信が終了すると、パンと手を鳴らした。
「さあ、卿等、もう一仕事だ。駐留艦隊の移動後、艦隊を前進させよ」
「了解致しました…ミューゼル少佐、この後だが叛乱軍が後退次第、敷設艦を出して機雷を撒こうと思うのだが、どうかな」
「小官も参謀長のお考えに異論はありません。ですがあまりあからさまにやりすぎると叛乱軍も此方の妨害に出るでしょう。花火程度に、がよいのではないでしょうか」
「花火程度ね…卿も意地が悪いな、確かに数ヶ所仕掛けておけば用心して敵の攻め足は鈍るだろう、よしそれで行こう」
「ありがとうございます…」
「…他にも何か言いたそうだな、少佐。言ってみたまえ」
俺の視線に気づいたシューマッハ参謀長は、ヒルデスハイム伯に駆け寄ると、伯に耳打ちを始めた。そのまま手招きしている。
「どうした少佐。何か気になる事があるのか?」
駆け寄った俺を見て、ヒルデスハイム伯は心配そうな顔をしている。
「いえ、はい…戦況概略図を開いてもよろしいでしょうか」
「うむ」
「では…ご覧ください、今までの
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