敢闘編
第四十九話 第五次イゼルローン要塞攻略戦(前)
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「成る程な…了解した、参謀長、ワルトハイム達にそう伝達してくれたまえ。駐留艦隊への連絡も忘れずにな」
…これで駐留艦隊はかなり楽になるだろう。しかし、自分自身で指揮が執れないというものは歯痒いものだ…。
11月20日17:00
自由惑星同盟軍、第十艦隊、旗艦盤古(バン・グー)
ウランフ
「たまらんな、参謀長」
「はい。あのC目標とやらの安全圏からの執拗な長距離攻撃、更には疑似突出と後退…被害はそれほどでもありませんが、これが長時間続くとなると、塵も積もれば何とやら、です」
「そうだ。それに第五艦隊が我々と第四艦隊の移動を援護する為に前進したため、彼等は無視出来ない損害を出している。ビュコック提督には申し訳ない限りだ」
「はい…第四艦隊が当艦隊の穴を埋める形で戦線参加したため、敵の半包囲態勢が完成しなかったのがせめてもの救いです」
「そうだな…だが我々は遊兵化してしまった。あいつらをほっとく訳にもいかん、奴等の目標で居続けねばならんからな…」
敵ながら見事だ。我々の転進を援護する為とは云え、チェン参謀長の言う通り第五艦隊は敵駐留艦隊に半包囲されるところだった。昨年の戦いといい、ビュコック提督には助けられっぱなしだ。第四、第五艦隊の後方に下がるか…いやそれではあのC目標が第四艦隊左側面に対し突撃体勢をとるだろう。となれば駐留艦隊後方に待機している部隊がC目標の突撃を援護するために此方の左翼、いや右翼だろうか、まあどちらかに現れるのではないか。いやはや何とも…。
11月20日18:30
自由惑星同盟軍、第八艦隊、総旗艦ヘクトル、宇宙艦隊司令部
ヤマト・ウィンチェスター
艦隊戦は一進一退、膠着状態におちいった…膠着状態に入るのも作戦の内だけど、劣勢ながら意外に帝国軍がよくやるんだ。あの分艦隊の効果はでかい。要塞主砲の存在をちらつかせながら第十艦隊の足を止めている。あれじゃまるで帝国版『D線上のワルツ・ダンス』だよ。
そして六千隻という数は同盟一個艦隊の約半数だ。だからウランフ提督も無視出来ない上に近付けない。要塞主砲を撃たれる、という恐怖がある。直撃したら一千隻以上が消えてなくなるのだ。密集していたらそれじゃ済まない…。だけどこれは要塞主砲が艦隊の方を向いていれば、の話だ。もしそうじゃなければ…。
11月20日19:50
自由惑星同盟軍、第五艦隊、旗艦リオ・グランデ、
アレクサンドル・ビュコック
目を真っ赤に充血させたモンシャルマン参謀長が通信文を手にしている。はて…。
「閣下、グリーンヒル提督より連絡です。回廊入口まで後退、再編成を行え、との事です」
「そうか、了解した。命令、梃形陣を
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