敢闘編
第四十九話 第五次イゼルローン要塞攻略戦(前)
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がいいね。君は本当によく見ているなあ」
「雇われ参謀としては真面目にやらないといけませんからね。なんとなくの思いつきを進言して立てた作戦ですが、勝算は高いと思いますよ」
「だけど、それなら要塞攻略戦だけでよかったんじゃないか?帝国本土進攻はさすがに一朝一夕ではいかないだろう?」
「…ポーズですよ。大きな声では言えませんが」
「ポーズ?味方に対するポーズということかい?」
味方に対するポーズ?…ああ、そういう事か。残留する艦隊司令官達への配慮ということか…。しかし本当に配慮のためだけにこの作戦を立てたとしたら呆れた話だが…。
「ええ。帝国本土進攻といってもオーディンまで進む訳じゃありません。言い方は悪いですが、ガス抜きのような物です」
「…ガス抜きのために戦わされる兵達はたまったもんじゃないと思うが」
「溜まりきったガスが爆発した時の方が大惨事になりますよ?そちらの方がひどくありませんか?」
彼の言いたい事は分かるが…それは軍事力の恣意的な運用ではないのか?
「無用の出師、とお思いですか?」
「そうは言っていないけどね」
11月20日12:10
自由惑星同盟軍、第八艦隊、総旗艦ヘクトル、宇宙艦隊司令部
ヤマト・ウィンチェスター
ヤンさんの言いたい事も分かる、確かにガス抜きでこの出兵はひどいと思われても仕方ない。まあ…この先の出来事を知っているから言える事なんだけどね…。
というか今回も含めて五回目だ、イゼルローン要塞に攻め込むのは。
一回二回なら分かる。まあ三度目の正直という言葉もある事だし三回目も許そう。でも二度ある事は三度ある、じゃダメなんだぜ?ましてや五回目だ。軍は何やってやがる!ってデモが起きてもいいくらいだ。軍の存在価値を示す為にワザと攻め込ませてるんじゃないか?なんて思う奴がいてもいいくらいだぞ?
まあ…五度目の正直にはしなきゃいかんし、それが望まれるくらい難攻不落と思われている事も確かだ。せっかく宇宙艦隊勤務になった事だし、どうせならこの先の同盟の悲惨な出来事は回避出来るよう努力はしたい。それが俺の知っている銀河英雄伝説と異なる結末になってもだ。
11月20日13:30
自由惑星同盟軍、第四艦隊、旗艦ペルクーナス
ドワイド・D・グリーンヒル
敵の陣形が変化しつつある。此方の両翼…右翼ビュコック提督、左翼ウランフ提督…が前進して敵の前衛…イゼルローン要塞駐留艦隊に攻撃を行っている。駐留艦隊は約二万隻、此方の両翼の攻撃に抗しきれないからだろう、早くも敵後衛から六千隻ほどが戦線に移動しつつある。此方の左翼の攻勢を止めるつもりなのか、敵右翼後方から我が方左翼に向けてに移動している。
「参謀長、ウランフ提督に連絡。針路そのまま九時方向に移動、敵前衛を迂回して此方の左翼に回り込もうとし
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