第六十五話 静かにはじまってその十二
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「そうしてもらってね」
「だから動物保険にも入ってるわね」
「そうしてるのよ」
「ペット用の」
「いざという時の為にね」
「そうなのね、ただね」
咲は母のモコについての言葉を聞いてこう言った。
「モコ病院大嫌いよね」
「病院好きな生きものっていないわね」
「どのペットも嫌いよね」
「犬でも猫でもね」
「モコ病院行くってこっちが思ったら」
家族がというのだ。
「すぐに気付くのよね」
「犬も猫もそういうのわかるのよ」
「直感で」
「生きもののね」
所謂動物の勘というものだ。
「それでね」
「わかって震えだすわね」
「けれど逃げないからね」
「震えて固まるだけでね」
「そうなるからいいのね」
「それで何とか連れて行って」
モコが震えて嫌がってもというのだ。
「そうしてね」
「診てもらって」
「ちゃんとしてもらうの」
「それで長生きしてもらうのね」
「そうよ、モコが嫌がってもよ」
「それでもなのね」
「連れて行くのよ」
体調に何かあると思えばというのだ。
「それで何もなかったらいいけれど」
「何かあったら」
「その時は治してもらうのよ」
「そうなのね」
「それで長生きしてもらって」
そのうえでというのだ。
「咲の子供、お母さんとお父さんから見れば孫にね」
「モコも会ってもらうのね」
「二十年でも生きて欲しいわ」
「二十三歳ね」
「犬としては滅茶苦茶長生きでも」
そうなるがというのだ。
「それでもね」
「そこまで長生きしてもらうのね」
「その時はね、まあトイプードルは長生きする種類だけれどね」
このことでも知られている、犬は種類によって寿命がある程度決まっているのだ。それでトイプードルは長いのだ。
「二十年は長いわ」
「それでもそれだけはなのね」
「咲の子供見てもらいたいから」
モコにもというのだ。
「出来るだけね」
「長生きしてもらうのね」
「そうよ、少なくとも咲が幸せになっている姿をね」
「将来の」
「それを見てもらうわ」
「そうなのね」
「出来るだけ長くね」
こう咲に話した。
「だからよ」
「それでなのね」
「モコにはね」
「長生きしてもらうのね」
「病院に連れて行ってでもね」
彼女が嫌いなそこにというのだ。
「そうしてもらうわ」
「怖い場所にもなのね」
「そうよ、お薬を飲んでもらうこともあるし注射もね」
モコはこちらも嫌いである、狂犬病の予防接種は欠かしていないがその時も震えて動かなくなるのだ。
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