第五百七話 和歌山の馳走その八
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「言われてみますと」
「色々言いたいところはあるが」
「嫌いかって言うとそうでもないな」
「どうも言わざるを得ない人であるだけでして」
レオも話した。
「嫌いかといいますと今はです」
「そうではない」
リーベルトの胸は浴衣からも目立つ位に大きい、だが口で話している。
「決してな」
「確かに胡散臭そうで」
「怪しい感じですが」
「改心されていますし」
ねこにゃーとももがー、ぴよたんも言う。
「それではです」
「嫌いでないです」
「これから宜しくです」
「人は色々あるものだ」
呉島は小さな声で述べた。
「過去もな」
「そう言うのだね」
「だからそれは言わないことだ」
決してというのだ。
「少なくとも私はそうした主義だ」
「そうか、有り難い」
「しかしね」
浅葱がここでどうかという顔で言ってきた。
「呉島さんも何かと」
「兄さんは人を疑わないんだよ」
光実が話した。
「これがね」
「そうした人ですよね」
「仲間の人達も部下の人達もね」
「皆さんですね」
「信じるんだ」
「人を信じることはいいことですが」
「一番信じたらいけない人までね」
そうした者までというのだ。
「信じるんだ」
「それは危ないです」
みずははそう聞いてこう言った。
「信じてはいけない人達もいます」
「そうですよね」
「はい、決して」
「ところが兄さんはです」
「どなたもですね」
「信じるんです」
「いや、私も人は見ている」
呉島自身はこう言った。
「しっかりとな」
「いや、そう言ってであるぞ」
クロノワールはどうかという顔で話に入って来た。
「お主あの五人もいつも頼りにしておるのう」
「倉石君達か。事実頼りにしている」
呉島はたんぽぽ達を見てからクロノワールに答えた。
「実にな」
「それがもう答えじゃ」
「何か問題があるのか」
「人を信じることはいいことだけれどな」
当麻はそれ自体はよしとした。
「けれど誰彼なしってのはな」
「そうだよね」
「俺もどうかと思います」
「それでこれまで色々あったんだ、しかも何度裏切った人も許すから。僕もそうしてしまったけれど」
それでもというのだ。
「兄さんのいいところでも」
「困ったところですね」
「何が問題かわからない」
全くとだ、呉島自身は述べた。
「私は人を見ているが」
「それについては異論があるがだ」
英雄はその呉島を見て述べた。
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