銀華編 ウルトラクルセイダーファイト 後編
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仰ぎ、変身体勢に入った彼の脳裏には――出撃前のリーゼロッテ達と交わした言葉が過っていた。
――7本の触手全てを、プロトクルセイダー隊の攻撃で切断……!? 大丈夫なのか、君達だけで……!
――ふふんっ、私達の心配なんて2万年早いですよぉ。生憎ウルトラマンのお守りなら、私達は経験済ですので。
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(……ありがとう、リーゼロッテ。ありがとう士道さん、皆! 必ず応えて見せるよ、俺とアキレスで!)
宣言通りに自分達の使命を果たしたリーゼロッテ達や、シルバーシャーク砲の発射阻止に奔走している士道達に応えるべく。女傑達が待つ空の彼方を見上げる嵐真は、アキレスアイを掲げ――
「デュワッ!」
――力強い掛け声と共に、双眸を覆うように装着する。
その箇所を中心に、ウルトラアキレスの姿へとみるみる「変身」して行く彼は、瞬く間に真紅の巨人へと変貌するのだった。
変身を果たした彼はそのまま勢いよく地を踏み締めると、両手を広げて地上から翔び立ち――音速を超越した速さで、成層圏を一瞬のうちに突き抜けて行く。
一度敗北し、深い傷を負っている今のアキレスでは長時間の行動は不可能であり、真っ向からシルバーブルーメと交戦することさえ難しい。故に彼はこの瞬間のみに残された全エネルギーを集中させ、光の矢の如く突撃しているのだ。
残りのエネルギー全てを、リーゼロッテ達が作った一瞬の好機に懸けて。真紅の巨人が宇宙へと飛び出し、流星の如くシルバーブルーメ目掛けて突っ込んで行く。
『ダァァアーッ!』
その気配に気付いた邪悪な円盤生物は、再生中の未成熟な触手でアキレスを迎撃しようとするが――彼はその悉くを、紅い拳で叩き落としてしまう。
『いっ、けぇえぇ〜っ!』
『かましてやれぇえッ! ウルトラアキレスッ!』
残る無防備な本体では、もはや回避も防御も不可能。約束された「チェックメイト」へと向かって行くアキレスの背に、リーゼロッテとクーカが声援を送る。他の隊員達も、固唾を飲んで巨人の突撃を見守っていた。
「……!」
そして――そのまま本体下部の口腔に飛び込んで行ったアキレスが、体内で溶解寸前となっていたBURKセイバーを抱き抱えながら、最高速度で拳を突き上げた瞬間。
アキレスの姿を視認した琴乃が、瞠目するよりも疾く。BURKセイバーを抱えた真紅の巨人がシルバーブルーメの本体を突き破り、大宇宙の海原へと脱出したのだった。
刹那、体内を一気に突き破られたシルバーブルーメの本体に亀裂が走り――その全てが爆炎に飲まれ、跡形もなく爆ぜて行く。それは紛れもない、ウルトラアキレスの勝利を意味していた。
『シルバーブルーメの爆散を確認……! 駒門隊員は……生きていますッ
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