外星編 ウルトラホピスファイト partFINAL
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ホピス星で目の当たりにした、非情にして絶大な破壊と殺戮。その光景に地球の「未来」を視た彼女はあの戦いの後、人工ウルトラサイン発信装置「イカロスの太陽」の開発に着手していたのだ。
ウルトラマンを「捕獲」し、その存在を「生物」として解析した上で、「兵器」として運用する。そのような神をも恐れぬ狂気の研究に、独り身を投じていたのである。
それも全ては、弘原海をはじめとするBURKの隊員達を破滅の未来から救うためであった。
あれほどの破壊を齎す侵略者に、ウルトラマン達が勝てるとは限らない。彼らが勝ち目のない戦いに命を賭けてくれる保証もない。彼らにとってはこの地球でさえ、数ある星々の一つに過ぎないのかも知れないのだから。
ならばやはり、地球は地球人の手で守り抜かねばならない。例えその地球人達から、弘原海達から悪魔と謗られようとも、自分がやらねばならない。
士道達のような、前途ある勇敢な若者達をみすみす死なせるようなことこそ、あってはならない。その未来を変えられるなら、自分は喜んで悪魔に魂を売ろう。
それが、シャーロットの信念だったのだ。そして彼女はその狂気にも似た執念を糧に、「イカロスの太陽」を完成させたのである。
だが、当然ながらその運用計画は凍結。狂気の研究に手を染めていた彼女は、BURKそのものから追放されてしまったのだ。
今の彼女にはもう、何の地位も名誉も無い。だが、故郷の教会に足繁く通っている今の彼女の貌は、「憑き物」が落ちたかのように晴れやかなものとなっていた。
悪魔に魂を売ってでも完成させた「イカロスの太陽」は、無事に凍結された。その開発に手を染めた自分は、然るべき報いを受けた。そしてウルトラマンカイナをはじめとする6人のウルトラ戦士達により、地球は救われた。
その「未来」こそが、5年半に渡りシャーロットが背負い続けて来た「荷」を下ろしてくれたのである。教会の天井に描かれたイカロスの翼を仰ぐ彼女は、力無く笑みを溢していた。
「……天に近付き、翼を焼かれた傲慢なる愚者。まさしく、私のことだったのね」
「そうでしょうか。イカロスはその過ちで命を落としましたが、あなたはまだ生きていらっしゃいます。それはきっと、神の思し召しでございましょう」
「……そうかしら。でも、そうだといいわね」
そんなシャーロットに声を掛ける金髪のシスターは、修道服に隠された白い爆乳をどたぷんっと揺らして、華やかな微笑を浮かべていた。日々懺悔に訪れるシャーロットを、いつも暖かく迎え入れている彼女の存在も、「翼を焼かれた愚者」が足を運んでいる理由の一つとなっている。
全ての罪を赦し、受け入れてくれる聖母の如き修道女。そんな彼女の存在が、全てを失ったシャーロットの希望を、この教会に繋ぎ止めているのかも知
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