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ウルトラマンカイナ
外星編 ウルトラホピスファイト partFINAL
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子高生の姉は、荒島達の視線に気付き、ぺこぺこと頭を下げている。

「……」

 そんな2人の前に無言で歩み出して来たのは、鶴千契だった。彼は士道と同様に片膝を着いて少年に目線を合わせると、その鋭い眼で少年の瞳を射抜いてしまう。だが、少年は怯みながらも決して目を逸らすことなく、鶴千と視線を交わし続けていた。

「……なぜ、そこまでBURKに入ることを望む。何がお前をそうさせている」
「お、俺は……姉ちゃんを守りたいんですっ! 父ちゃんと母ちゃんが怪獣災害で死んでから、姉ちゃんはずっとバイト漬けで……! だから俺、早くBURKに入って、姉ちゃんに楽させてやりたいんですっ!」
「……そうか」

 かつて、姉を怪獣に殺された者として思うところがあったのだろう。鶴千は少年の言葉を聞き終えると、BURK隊員の証である胸のバッジを迷いなく外し、それを少年の胸に付けてしまう。
 その行為に姉や少年が瞠目する中、鶴千はゆっくりと立ち上がり、踵を返していた。そんな彼の行動に、見守っていた荒島達は「やれやれ」と苦笑を浮かべている。

「あ、あの、これっ……!」
「その覚悟があるならば、お前はすでにBURKの一員だ。故にこれより、先任隊員としての命令を伝える。……姉ちゃんを守れ」
「……!」
「そしていつか、お前が大人になった時……そのバッジを返しに来い。BURKの門を叩いてな」
「はっ……はいっ!」

 感極まり、ぼろぼろと涙を零す姉に抱き締められながら。少年は鶴千から託されたバッジを握り締め、力強く声を上げる。
 そんな彼に背を向け、表情を見せないように立ち去って行く鶴千は――優しげな微笑を浮かべていた。そんな彼の両隣に立つアルマとナターシャは、あまりに「不器用」な戦友の姿に苦笑を溢している。

「……そういえば、いつの間にか胸のバッジを『紛失』してしまったな。後で始末書を書かねばならん」
「ふふっ……じゃあ、半分くらいは手伝ってあげるよ。私もきっと、同じことをしてたと思うし」
「さっさと片付けて、次の休みには夢乃と珠子に会いに行こうよ。契もずっと、あの子達のことは心配だったんでしょ?」
「……済まんな、アルマ。ナターシャ」

 全ての戦いを乗り越え、穏やかに笑い合う隊員達。彼らを見下ろす太陽の輝きは、その勇姿を燦々と照らしていた――。

 ◇

 そんな中。かつてはBURKオーストラリア支部きっての天才と謳われていたシャーロット博士は現在――母国の片田舎で、独り静かな隠遁生活を送っていた。

 雄大な自然を一望出来る故郷に身を寄せた彼女は、平和を取り戻した地球の美しさを噛み締めるように、穏やかな日々を過ごしている。今となっては、士道が手に入れたホピス星の花の研究だけが生き甲斐となっていた。

 ――数年前に
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