外星編 ウルトラホピスファイト partFINAL
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・》男達を目当てに現場近くの通学路を利用しているらしく、きゃあきゃあと騒ぐ女子大生に気付いた日ノ出達は「またあの子達だよ」と顔を見合わせていた。この2人――沢宮姉妹は都内でも有名な美少女であり、最近はモデルとしても活躍しているのだが、芸能界に疎い日ノ出達には知る由もないことであった。
――ウルトラマンカイナが初めて地球に現れた、恐竜戦車地球降下事件に端を発する6年間もの戦乱。その暗黒時代を経た現在においては、BURKの隊員は誰もが憧れる「英雄」の職業として称賛されるようになっていた。
かつては税金泥棒などと謗られていたBURKは、6年間にも渡る戦争を経て劇的に再評価されたのである。その頃を知っている世代であるが故に、日ノ出達は女子大生達の様子を複雑な表情で見守っていた。
「あ、あのっ! 何かお手伝い出来ることってありますか!? 私、BURKさんのお役に立ちたいんですっ!」
そんな中。バリケードの向こう側から、隊員達に声を掛けて来る小学生の少女が現れた。恐らく、彼女も通学中なのだろう。溌剌と目を輝かせている彼女は、ぴょんぴょんと地を蹴って艶やかな黒髪を揺らしている。
「……もう役に立ってくれてるさ。君がそうやって応援してくれたおかげで、俺達もいっぱい元気が出る。いつも、ありがとうな」
「はっ……はいっ!」
純粋な憧れに胸を躍らせている彼女の姿を微笑ましげに見遣っていた士道剣は、片膝を着いて彼女の目線に合わせると、その頭を優しく撫でていた。その掌の温もりと、華やかな微笑に思わず頬を染める少女は、顔を真っ赤にしながら学校に向かって走り去って行く。
「ちょっと士道、幼気な女の子の男性観を軽率に歪めないでくれる? さっきのあの子、耳まで真っ赤だったわよ」
「え……? いきなり何の話だよ。……でも、顔は確かに赤かったよな。背の低い子供ほど熱気の影響を受けやすいんだから、熱中症対策はきちんとしていて欲しいんだが……。夏休みも近いんだし、念のため後で近隣の学校に注意喚起しておくか。アリアも水分はこまめに摂れよ」
「……それ、どういう意味かしら」
少女の様子からその心中を察していたアリアは、ため息を吐いて戦友の腰を叩くのだった。士道より50cmも背が低い彼女では、その位置がやっとだったのである。一方、自分が「しでかしたこと」に全く気付いていない当人は、アリアの苦言にも小首を傾げていた。
「あのっ! お、俺もBURKに入れてくださいっ! 俺、どうしてもBURKに入りたいんですっ!」
「こ、こらダメだよ! 皆さんお仕事中なんだから、邪魔になっちゃう!」
――その頃、別のバリケード付近では。小学生ほどの幼い少年が身を乗り出して、作業中の荒島達に声を掛けていた。そんな弟の肩を掴んで制止している女
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