外星編 ウルトラホピスファイト part10
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伝わせ、部下達の肩を抱き寄せている。琴乃もその様子を遠巻きに見守りつつ、人知れず目元を拭っていた。
『……ふ、ふんっ! あの地上部隊の男共、一体今までどこで油を売っていたのですかっ! 地球に帰ったら全員お尻ぺんぺんですっ!』
『ふふっ……そんなこと言って、本当は隊長もずっと心配だったのではありませんか? 顔に出てますよ』
『んなっ!? か、勝手なことばかり言わないでもらえますかっ!』
そんな弘原海達の和気藹々とした様子を、BURKセイバー隊の女性陣は微笑ましげに見守っている。表面上は悪態を吐いているリーゼロッテも、内心の安堵を隠し切れずにいるのか、その白い頬を優しげに緩ませていた。
弘原海率いる調査隊と、リーゼロッテ率いるBURKセイバー隊。彼らを取り巻く和やかな雰囲気には、シャーロットも微笑を浮かべている。
「……そうよ。彼らのような、勇敢な若者達を死なせるようなことがあってはならない。このホピス星のような悲劇を、繰り返してはならない……!」
だが――ウルトラマン達が飛び去って行った方向を見上げた時。彼女の面持ちは、悲壮な決意を固めた険しい色へと変貌していた。
◇
「……ん?」
そんな中――弘原海や琴乃達と共に、BURKスコーピオンの船内へと撤収して行く途中で、士道は独りその足を止めていた。
ふと足元を見遣ると、そこには一輪の花が横たわっていたのである。端々が焦げているその花を手に取った士道は、吸い寄せられるように花びらを見つめていた。
草一つ生えていないこの大地に、何故このようなものが残っているのか。そんな疑問を抱く彼の頭上を、BURKセイバー隊の機体が勢いよく駆け抜けていた。
「おーい、士道っ! 何してんだぁ? 一旦船に戻ろうぜぇーっ!」
「……あ、あぁ。今行く」
やがて士道は、背後から響いて来た手力の声に振り返ると、花を手にしたままその場を後にして行く。
キングジョーがボディの内側で密かに守り続けていた、この星の存在を証明する最後の残滓。
その一輪が、外星からの来訪者達に託された瞬間であった――。
◇
――その頃。ホピス星から遥か遠くに位置するとある惑星には、蒼い身体を持つ1人の宇宙人の姿があった。そこはホピス星と同様に、ありとあらゆる命が刈り尽くされた「死の大地」と化している。
『……我が「絶世哮」で星ごと焼き払ってもなお、あれほどの戦闘機能を維持していたとはな。ペダニウム宇宙合金、やはり侮れん硬度だ』
禍々しく凶悪な外観を持つその宇宙人は、天に広がる星空を静かに仰いでいた。そんな彼の背後では、この星に棲息していた「冷凍怪獣」ペギラの屍肉を貪り食う怪獣達が、その咀嚼音を響かせている。
『分離合体
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