外星編 ウルトラホピスファイト part9
[3/3]
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
を始めて行く。
『――ダアァアァアッ!』
だが、最後の最後まで攻撃の手は緩めない。スペシウム光線の刀剣を握るウルトラマンシュラは、ジャンプした体勢から刃を振り下ろすように、超高速の6連斬撃――「スペシウムブレード・へクス」を放つ。
『ヘアァッ!』
複数の腕が生えているかのような残像を生み出す、神の如き疾さ。その速度でバラバラに切り裂かれたキングジョーは、どのような暗示も逃避も成り立たない、「完全敗北」を喫したのだった。
『ダァァアッ!』
そして斬撃を終えて着地したシュラは、切り刻まれたキングジョーの部品全てに、追い討ちのスペシウム光線を撃ち放つ。
十字に組んだ腕から照射された光波熱線が、宇宙ロボットを形成していた物体全てに命中していた。
12人のウルトラ戦士が残されたエネルギーを込めて放った、必殺の一撃。その威力は傷付いたキングジョーの外装も、露出した内部機構も全て吹き飛ばすほどの域に達していたのである。
ウルトラ戦士達の必殺技を立て続けに受けたキングジョーの内側から、閃光が漏れ出して行く。そして爆ぜる直前――この星の人々に仕えていた機械仕掛けの騎士は。
――お、おれ、まもる。このほし、まもる。みんなを、まもる。ホピスのえがお、きぼう、へいわ。おれが、まもるんだ――
ペダン星人にしか通じない電子音声で、譫言のようにそう呟いていた。
言葉は通じずとも、敵意が感じられない音声の「声色」からその「思念」を汲み取ったシュラ達は――
『……もう、眠れ。もう……いいんだ』
――爆ぜて行くキングジョーの無念に、鎮魂の祈りを捧げるように。その全てを吹き飛ばして行く爆炎を、ただ静かに見届けるのだった。
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ